DevOpsとは?

DevOpsの定義

DevOpsは、企業のソフトウェア開発(Dev)チームとIT運用(Ops)チームの作業を組み合わせて自動化する、最新のソフトウェア開発アプローチです。DevOpsが推進しているのは、従来は分離していたこの2つのチームが、サイロ化するよりもコラボレーションする方がより効果的であるという考えです。

理想としては、ソフトウェア開発のライフサイクル全体にわたり、プランニングやコーディングからテスト、デプロイメント、さらには本番環境の監視に至るまで、DevOpsチームが連携して改善と自動化に取り組むことが望まれます。これは、ソフトウェアエンジニア、IT部門、プロジェクトに関連するその他の部門(QAチームやセキュリティチームなど)の間で継続的なフィードバックループを構築することで実現します。

DevOpsのしくみ

DevOpsは、チーム間の統合的なアプローチを促進することで、より優れたソフトウェアをより速いペースで提供します。実用的なレベルでは、DevOpsはこうした原則を組織のニーズ、リソース、制約に合わせて調整することで機能します。どの組織にも独自の特性や細かい違いがありますが、DevOpsチームは一般的に、以下のステップを使用してアジャイル手法のプロセスに従います。

プランニング

  • チームがプロジェクトの範囲、要件、目標について定義します。
  • チームは優先順位について合意し、タスクを開発パイプラインに編成します。

コード開発

  • 1週間から1か月の時間枠(スプリント)で開発者がコードを書き、新機能や改良を実装します。
  • コードは変更を追跡するためにバージョン管理に保存されており、コラボレーションができるようになっています。

コードレビュー

  • 開発者は互いのコードをレビューし、基準を満たしているか、セキュリティの脆弱性がないかを確認します。
  • このコードレビューは、メインのコードベースにマージする前に問題を発見するのに役立ちます。

継続的インテグレーション(CI)

  • 複数の開発者が変更したコードは、定期的に共有リポジトリに統合されます。
  • チームはさまざまな自動テストを実行し、バグや統合の問題などを事前に特定します。
  • テストツールでリグレッションをチェックし、新しいコードの変更が既存の機能を壊していないことを確認します。

継続的デリバリー(CD)

  • 自動テストと開発者レビューによりコードが承認された後は、それをデプロイ用にパッケージ化します。
  • 自動デプロイのスクリプトにより、コードと構成がターゲット環境に合わせて準備されます。

ステージングとテスト

  • DevOpsチームは、本番環境を模倣したステージング環境またはテスト環境にコードをデプロイします。
  • この環境でより包括的なテストを行い、すべてが正常に動作していることを確認します。

ユーザー受け入れテスト(UAT)

  • QAチーム、利害関係者、テストユーザーの全員またはいずれかが、ステージング環境でテストを実施します。
  • このテストでは、ソフトウェアが顧客の要件を満たしていることを検証し、それまでのステップで見つけられなかった問題を探します。

継続的な監視

  • 自動化された監視ツールでアプリケーションの動作状況を追跡し、アプリケーションのパフォーマンスからシステムイベント、ユーザーアクティビティまで、あらゆるものを測定します。

フィードバックとイテレーション

  • 監視とユーザーからのフィードバックに基づき、改善点とバグ修正を特定します。
  • 開発者が必要な変更を加え、プロセスを再開します。

本番環境へのリリース

  • ソフトウェアを十分にテストし、全員の要件を満たしたら、本番環境にリリースします。
  • 自動デプロイのスクリプトにより、内容の一貫性を保ち、手作業によるエラーを最小限に抑えます。

デプロイ後も監視を継続し、パフォーマンスデータとユーザーからのフィードバックを収集します。DevOpsチームと関連する利害関係者は、定期的な回顧的評価とレビューを行い、今後のイテレーションのためにプロセスを改善します。

DevOpsが重要である理由

DevOpsが重要であるのは、その統合されたアプローチによって生産性と運用が向上し、同時に市場投入までの時間を短縮できるからです。DevOpsの考え方は、より良いソフトウェアをより迅速かつ効率的に生産する、総合的に幸福度の高いチームを生み出すことにつながります。DevOpsは、硬直的で逐次的な開発から協調的なアプローチへの根本的な転換をもたらすことで、改善と学習に重点を置くチーム文化を促進するだけでなく、市場の変化に迅速に対応できるようにもなります。

これとは対照的に、従来のソフトウェア開発モデル(ウォーターフォール型など)は、チーム間の明確なハンドオフを伴う逐次フェーズを重視しています。この種のモデルは機能こそするものの、しばしば開発サイクルが遅くなり、コラボレーションも制限されます。

DevOpsのベストプラクティスと原則

DevOpsチームは、さまざまな慣行と原則にしたがってソフトウェア開発の手法を実装します。ここでは、DevOpsが重視する主な慣行と原則をいくつかご紹介します。自動化

自動化
はDevOpsの中核です。テスト、デプロイメント、プロビジョニングなどの手動タスクを自動化することで、DevOpsチームは、より一貫性がありエラーが少ないソフトウェアデリバリーのプロセスを迅速化させます。

継続的インテグレーション(CI)と継続的デリバリー(CD)
前述したように、これらのプロセスは新しいコードが既存のコードとスムーズに統合されていることを確認し、テスト環境、ステージング環境、本番環境など、さまざまな環境へのコードのデプロイプロセスを自動化します。

コードとしてのインフラ(IaC)
IaCは、コードを使用してインフラを定義し、管理する自動化プロセスです。IaCにより、DevOpsチームは必要に応じて再現できる、一貫性のある環境を構築できます。この自動化により、手作業による設定エラーが減少し、プロビジョニングも迅速化します。

監視とフィードバック
アプリケーションとインフラを継続的に監視することで、パフォーマンスの好不調やその他の問題をリアルタイムで把握することができます。このフィードバックループにより、チームは問題に迅速に対応し、改善を推進することができます。

マイクロサービスとコンテナ化
このアーキテクチャのアプローチは、アプリケーションをより小さくモジュール化した構成要素(マイクロサービス)に分解し、それらを依存関係(コンテナ)とともにパッケージ化します。デプロイに一貫性と柔軟性が増し、より簡単に拡張できるようになります。

バージョン管理
すべてのコード、構成、インフラの変更は、Gitなどのバージョン管理システムに保存されます。DevOpsチーム全員がこの変更履歴を参照できます。そのため、コラボレーションが容易になり、問題が発生した場合のロールバックも容易になります。

DevOpsのメリット

DevOpsは多くの面で組織にメリットをもたらします。ここでは、DevOpsを導入することでよくわかる最大のメリットをいくつかご紹介します。

  • DevOpsは開発、テスト、デプロイのプロセスを合理化するので、組織はソフトウェアをより頻繁にリリースし、ユーザーのニーズや市場の需要に迅速に対応できるようになります。
  • 自動テストと継続的インテグレーションで、DevOpsチームは早期にバグを発見できます。そのため、本番段階の実ユーザーに影響する問題の数を減らすことができます。
  • DevOpsの慣行ではチームがイテレーションを非常に迅速に行うことができるため、ユーザーが必要とする変更や本番環境まですり抜けたエラーに、組織が迅速に対応できます。
  • 前述のように、コードとしてのインフラ(IaC)と自動デプロイによりインフラのセットアップはより一貫し、ダウンタイムやエラーが少なくなります。
  • DevOpsは、障壁を取り払うことに尽きます。これは、ソフトウェアのライフサイクルに関わるすべての人が、その成功に主体性を持つという文化的な転換を促します。全員がチームとして作業するため、問題が発生したときに責任を押し付け合うこともありません。

DevOpsの課題

DevOpsには多くのメリットがある一方で、導入に際してはいくつかの課題に直面する場合もあります。課題を克服するには、綿密なプランニングと、DevOpsの考え方にチーム全体で取り組むことが必要です。ここでは、遭遇する可能性のある課題をいくつかご紹介します。

  • DevOpsの導入には、文化と考え方の大きな転換が必要です。開発チームと運用チームの間の伝統的なサイロを取り払い、変化への抵抗を克服することは簡単ではないかもしれません。
  • この抵抗の一因は、組織にある既存のレガシーシステムがDevOpsの慣行に適応しにくいからかもしれません。レガシーの制約は、移行段階においてしばしば問題を引き起こす原因となります。
  • 自動化は効率化を促進しますが、自動化プロセスのセットアップと維持は複雑になりがちです。スクリプトとワークフローの記述、テスト、管理には、使用するツールに応じて、DevOpsチームには一定レベルの専門知識が求められます。
  • 組織のニーズに合わせてDevOpsを拡張できますか?組織が急成長や変化の時期にあり、移行を同時に進めようとしている場合は、一貫性のある効率的なソフトウェアリリースを維持できなくなる可能性があります。
  • 脆弱性やコンプライアンス要件に対処する必要性に備えて、チームはDevOpsのパイプライン全体を通じてセキュリティを統合する必要があります。(後述のDevSecOpsを参照。)

DevOpsとDevSecOpsの違い

DevOpsとDevSecOpsは、どちらもソフトウェア開発とデリバリープロセスの改善が中心ですが、DevSecOpsには明確に異なる重点分野があります。DevSecOpsは、DevOpsの原則を拡張し、ソフトウェア開発のライフサイクル全体にわたってセキュリティを導入します。(DevSecOpsの「Sec」はセキュリティの略。) DevSecOpsでは、セキュリティを数ある機能の中の1つとして扱うのではなく(あるいは、さらに悪いことに後付けの機能として扱うのでもなく)、開発プロセスの各フェーズで重要な部分として統合しています。この事前予防的なアプローチにより、セキュリティの脆弱性を早期に発見して対処することができるようになるため、コンプライアンス違反のリスクも低減します。

DevOpsの成功を測定する

DevOpsの成功を測定するには、さまざまな定量的・定性的メトリックを評価する必要があります。以下は、検討すべき重要な指標です。

  • 新しいコードを本番環境にデプロイする頻度を測定します。デプロイ頻度が高いほど、DevOpsによってリリースの高速化が実現できていることを示します。
  • インシデントや失敗につながる変更の割合を評価します。変更による失敗の割合が低いほど、リリースの信頼性が高いことを意味します。
  • コードのコミットからデプロイまでに要した期間を測定します。リードタイムが短いほど、効率的な開発プロセスとデプロイプロセスであることを意味します。
  • 障害の復旧に要した平均時間(平均復旧時間、MTTRとも呼ばれる)を算出します。MTTRが低いほど、インシデントレスポンスとシステムの回復力が高いことを示します。
  • デプロイの成功率を測定します。デプロイの成功率が一貫して高ければ、チームのDevOps慣行が強力であることを意味します。
  • 自動テストの割合を評価します。自動テストの適用率が高いほど、テストの迅速化と信頼性の向上につながります。
  • パイプライン全体を通じて、セキュリティテストの慣行とコンプライアンスの遵守を監視します。これは、チームがプロセスにおいてDevSecOpsを優先している場合は特に重要です。
  • コスト削減を評価します。これは、上述の他のメトリックをレビューし、DevOps前のメトリックと比較することにより実行できます。お客様の満足度は上がりましたか?
  • 従業員の幸福度は上がりましたか?これは主観的なメトリックですが、組織にとっては重要なものです。従業員の満足度を評価するには、消費者調査や匿名による従業員アンケートが役立ちます。

ElasticでDevOpsトランスフォーメーションを加速させる

ElasticsearchプラットフォームElasticオブザーバビリティでサイロ化を解消しましょう。このツールにより、DevOpsチームはソフトウェアライフサイクル全体を単一のソリューションで共同作業できるようになります。Elasticオブザーバビリティは以下のことを実現します。

  • 環境全体への包括的な可視性を確立
  • 漸進的なデプロイでパフォーマンスを比較する
  • アプリケーションエコシステム全体のログ監視を一元化
  • すべてのデータをコンテクストで捉えて、トラブルシューティングをすばやく実施
  • キュレートされたインフラビュー作成で、すばやくコンテクストを把握
  • すべてを1か所で、CI/CDパイプラインの可視化も向上

あなたのDevOpsチームも、Elasticオブザーバビリティで複雑性を緩和し、トラブルシューティングを迅速化して、カスタマーエクスペリエンスを最適化できます。今すぐ始めましょう。


DevOps FAQ

DevOpsとは何の略?

DevOpsは、「Development(開発)」と「Operations(運用)」の合成語です。この名称は、ソフトウェア開発チームとIT運用チームを1つの共同作業ユニットに統合することを表しています。

DevOpsの例は?

DevOpsの例としては、Webアプリに新しいコードを実装することが挙げられます。開発者がコードを書くと、自動的にビルド、テスト、デプロイが行われ、従来の逐次的なソフトウェア開発モデルを経由する必要がなくなります。

DevOpsで一般的に使用するツールと方法論は?

一般的なDevOpsツールには、Git、Docker、Kubernetesなどがあります。一般的な方法論には、継続的インテグレーション(CI)、継続的デリバリー(CD)、コードとしてのインフラ(IaC)、アジャイルの手法などがあります。