AWS×Elastic ― クラウドへの迅速な移行を実現

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クラウドのサービスはコスト効率にすぐれ、アジリティを高めます。一方で、移行のプロセスや複雑な管理が導入のハードルとなることもあります。Elasticを導入すると、一元的なプラットフォーム1つでAmazon Web Services(AWS)とオンプレミスのワークロードの監視から、分析、保護まで完結します。また、移行中を含む、クラウド活用のあらゆるステージに対応しています。この特徴は、リスクを抑制すると同時に、時間とコストの確実な節約に役立ちます。

本ブログ記事では、ワークロードの移行を促進し、クラウドへのスムーズな移行を実現させるElasticとAWSの連携について説明します。

クラウド導入のメリットと課題

デジタルトランスフォーメーションの背景には、ビジネス上の要因が多数存在します。たとえば、よりすぐれた成果を顧客に提供する、あるいは、アプリのモダナイゼーションやAIのワークロードを通じて社員の生産性を向上する、といったことが推進力となります。また、データアーキテクチャーをシンプル化しながら、スケーラビリティ、あるいはより厳密なコンプライアンスとセキュリティガイドラインの遵守を実現するというメリットも、組織がクラウドに着目するきっかけとなっています。突き詰めると、クラウド導入の目的は開発期間の短縮、すぐれたインサイトの取得、そしてITの全体的なコスト削減です。

しかし、クラウドへ移行することで生じるリスクがないわけではありません。組織が直面する一般的な課題には、次のようなものがあります。

  • 複雑さ:数千ものマイクロサービスで構成されるワークロードの移行が必要となることは珍しくありません。しかし、複雑な依存関係への可視性が欠落していると、技術的な問題解決や重要な意思決定の場面で大きな障害となってしまうことがあります。
  • 時間:典型的な移行作業を行う場合、複数年にわたってプロセスが続くだけでなく、計画上の時間や予算に収めなければならないという大きなプレッシャーも発生します。
  • 適正なサイジング:将来の予期せぬ出費や予算オーバーを回避するには、移行前にオンプレミスのワークロードの棚卸を行って、クラウドのリソース要件(RAMのサイズ、演算処理インスタンスの種類など)を適正に見積もる作業が不可欠です。
  • リアーキテクチャー:クラウド向けに、各種アプリのリアーキテクトが必要となることがあります。特にレガシーのモノリシックなアプリのアーキテクチャーの場合は、コンテナー化やオーケストレーション、サーバーレスをはじめ、クラウドネイティブなテクノロジーによるスケールとアジリティにおけるメリットに簡単に適合しないため、この傾向が強くなります。
  • パフォーマンス:移行の結果、各種アプリに遅延、場合によってはダウンタイムが生じる可能性があります。パフォーマンスに関連する分野では、非クラウド型アプリのデータグラビティや相互運用性、依存関係がしばしば主要な懸念材料となります。
  • セキュリティ:データ侵害、データロス、外部からの攻撃についても考慮する必要があります。

クラウドへの安全な移行を確実に成功させる


クラウド移行の作業の順序に沿って、ポイントを確認してみましょう。

移行フェーズ全体の可視性


自信をもってクラウド移行を実施するには、AWSとオンプレミスの環境全体にわたり、アプリとインフラのリソースを包括的に把握することが重要です。Elasticはクラウド移行のすべてのステージで、ハイブリッド、およびマルチクラウドへの一元的な可視性を提供しています。

  • 移行前:オンプレミスのアプリインフラへの可視性は、マイクロサービスベースアプリとモノリシックなアプリの両方を完全に把握するための手助けとなります。Elasticを利用する場合、移行前のフェーズでアプリのアーキテクチャーと依存性を可視化することが可能です。たとえば、サービスマッピングやオンプレミスのWebアプリのリアルユーザーエクスペリエンス監視、移行前のコスト分析、アプリのポートフォリオ評価、適切なサイジングを活用できます。
  • 移行中:移行中にハイブリッド環境を監視する取り組みは、高遅延やエラーといった、パフォーマンスの検証、あるいはユーザーエクスペリエンスに関する問題の予防的な特定に役立ちます。このような問題は、オンプレミスの複雑なアーキテクチャーから分散型のクラウドインフラへの移行が原因で生じることが少なくありません。マイクロサービスアーキテクチャー(MSA)やアプリのポートフォリオに含まれるサードパーティの依存関係を把握する上で特に重要となる取り組みが、分散トレーシングとサービス依存性マッピングです。
  • 移行後:移行作業全体の中でも、移行後のチェックやバランスの調整は特に重要な部分です。Elasticを利用する組織は、アラートやインシデントマネジメントを立ち上げて、オンラインになった瞬間から全クラウドのアップタイムと可用性を監視できるほか、パフォーマンスやその他の問題のトラブルシューティングを実施したり、傾向を把握したり、クラウドの使用状況に基づいてコストを最適化したりできます。

またElasticは、クラウド移行に伴うこのようなタスクを自動化、高速化するための複数のツールやサービスを用意しています。

クラウドにおけるオブザーバビリティ ― 洗練されたアプリで価値実現までの時間を短縮


マルチクラウドとオンプレミスのプラットフォームを管理するタスクの複雑さを考えれば、Enterprise Management Associates(EMA)グループによる調査報告に「オブザーバビリティがビジネスに不可欠なイニシアチブとなっており、またDevOpsにおける最大の課題として浮上している」という指摘があることはさほど意外ではありません。またこの調査報告では、DevOpsチームが根本原因の特定作業に業務時間の50%を費やしていることや、組織が環境内に多様なクラウドやソフトウェア、アーキテクチャーを組み合わせる場合、その時間がさらに長くなる可能性も指摘されています。このように複雑な変化を取り入れるにあたっては、適切なメソドロジーを確立するとともに、適切なテクノロジーの選択が欠かせません。EMAグループの調査はまた、オブザーバビリティを確立させているチームの場合、機能数が4倍豊富な製品の開発を従来の70%の期間で達成し、製品をハイペースにリリースすることも明らかにしています。

Elasticオブザーバビリティはクラウド全体とオンプレミスのエコシステムにわたり一元的な可視性を確立し、担当者が環境内のあらゆる場所で発生するイベントを監視、対応できるようにするソリューションです。Elasticを利用するとログ、メトリック、APMトレースを大規模に、1つのスタックにまとめることができます。このスタックには機械学習機能も搭載されており、ユーザーが認識する前に問題の検知や根本原因の特定に役立てることができます。以下に、Elasticオブザーバビリティが提供する機能の一部をご紹介します。

  • 一元的なログ分析 ― インフラとアプリのログ、その他の構造化されたイベント向け
  • インフラ監視 ― すべてのインフラコンポーネントについて、ログ、メトリック、アップタイムの監視を実施
  • アプリパフォーマンス監視 ― アプリのログ、メトリック、分散トレーシング、エラートラッキング、サービス依存性マッピング、APIヘルスを横断的に監視
  • エンドユーザーエクスペリエンス監視 ― リアルユーザー監視、Webサイトアベイラビリティ監視、ブラウザベースのシンセティック監視を実施
  • クラウド移行監視 ― 移行の全フェーズを切れ目なく監視

クラウドにおけるセキュリティ ― 責任共有モデル


オブザーバビリティの目的に収集したデータをそのままXDR(eXtended Detection and Response、拡張検出および応答)にも活用し、平均検出時間をゼロに近づけることもできます。Elasticセキュリティがセキュリティ検知と防御のタスクを自動化することで、組織はイノベーションやビジネス戦略の目標に集中できます。AWS Well-Architected Frameworkが定める責任共有モデルにおいて、AWSがAWS Cloudサービスを実行するハードウェア、ソフトウェア、ネットワーキング、機能群で構成された安全なインフラを提供するのに対し、Elasticは運用上のセキュリティタスクを支援するツール群を提供します。

AWS×Elasticでハイブリッドなクラウドインフラを監視し、安全に保つ

AWS×Elastic ― 併用が生み出すパワー


ElasticはAWS ISV ワークロード移行プログラム(WMP)の認定パートナーとして、オンプレミス・セルフマネージドのElasticsearch、またはElastic StackのワークロードをAWS上のElastic Cloudに移行するお客様を支援しています。Elasticが提示するメソドロジーは規範的かつ再現性にすぐれたアプローチを特徴とし、すみやかな移行作業を実現します。またAWS Well-Architected FrameworkAWS Migration Acceleration Programをはじめ、AWSが公開している移行ガイダンスやベストプラクティスとダイレクトに連携しています。Elasticをご利用のお客様は、ぜひAWS WMPプログラムの導入ガイダンスや移行リソース、AWSインフラクレジットや資金調達支援などのメリットを最大限ご活用ください。ビジネスの目標やクラウド活用の取り組みを支えるプログラムです。

今すぐ使い始める

ElasticはAWSと密接に連携し、クラウドが組織にもたらすメリットの早期実現を支援しています。AWSのマーケットプレイスのリスティングから、Elastic Cloudのデプロイをご利用ください。Elastic Cloudへの移行に必要な手順に関する情報は、「migrating Elasticsearch data」(Elasticsearchデータを移行する)や、Elasticが提供するAWS統合機能群のページにも掲載しています。

来週開催されるAWS re:Inventでは、#1567にElasticのブースがあります。ご参加の方はぜひお立ち寄りください。

本ドキュメントに記述されているあらゆる機能ないし性能のリリースおよびタイミングは、Elasticの単独裁量に委ねられます。現時点で提供されていないあらゆる機能ないし性能は、すみやかに提供されない可能性、または一切の提供が行われない可能性があります。