金融市場にスピード、セキュリティ、接続性を実現するElastic活用術

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金融市場ではスピードがすべてです。営業部門とバックオフィス部門の成否は、難易度の高い問いに対して正確に、かつ高速に対応する能力の有無で決まります。ここ数十年で、市場関係者に提供される情報量は爆発的に増加しました。今、金融取引は非常に速いペースで実行されています。このような変化と並行して、金融市場で取引するファームはますます複雑なテクノロジーを開発するようになりました。ワークロードをクラウドに移行し、より分散されたアーキテクチャーへ依存する金融系ファームは、特にこの傾向にあります。そこで、多くのビジネスリーダーは難問に直面します。つまり「競争が激化し、ますます民主化される取引環境で勝利する能力に、複雑なテクノロジーの開発はどれほど効果をもたらすか」という喫緊の問いに答えを出さなくてはなりません。

幸い、金融系ファームはデータセットの利用、追跡、保護、管理、エンリッチを可能にする適切なツール群をチームに配備することで成功への道筋をつけ、デジタル&クラウドのトランスフォーメーションを実践して、差別化の絶好のチャンスをつかむことができます。本記事ではいくつかの事例と共に、金融市場で活動するリーダーがデータを活用し、ITの効率性向上や事業内容のエンパワーメント、リスクエクセレンスの文化の創出を達成する方法をご紹介します。

取引のパフォーマンスと実行性をエンドツーエンドで高める

最先端のテクノロジーとシステムの導入は、ビジネスを差別化する要素となります。それはファームが有能なアナリストやトレーダー、ソフトウェアエンジニア、ストラテジストを積極的に集め、クライアントがそうしたファームのサービスを選ぶことからもわかります。ところが、ネットワークやサービス、アプリ、インフラのパフォーマンスが基準を下回ると、リアルタイムの取引や市場調査プラットフォームがもたらすアドバンテージは急速に失われます。一連のコンポーネントに対する包括的な可視性が不可欠であるのはこのためです。たとえば取引の追跡においては、実行から予約、確定に至る取引のライフサイクル全体と、相互に接続されたシステムにおけるプロセス管理状況を把握することが、トランザクションに携わる利害関係者全員の生命線となります。

分散システムのパフォーマンスをオブザーブ、および監視する機能がもたらすITとアプリのテレメトリデータ(メトリック、ログ、トレース)は特に重要です。このようなテレメトリデータポイントと、営業関連のビジネスデータ項目(トレーダー/ポートフォリオマネージャー名、デスク、金融商品、スポット価格、決済日、リージョン、通貨など)を組み合わせることで、ビジネスへの効果をより正確に理解することができます。こうした補足的なオブザーバビリティメタデータを活用すると、パフォーマンスの問題や改善結果をビジネスバリューに変換することが可能となり、究極的にはクライアントやビジネスに還元される相応の利益や損失に帰着させることができます。

問題が生じると、クライアントは迅速な回答を求めます。したがってクライアントが技術的な問題の影響を被る可能性がある場合、営業の最前線に立つ担当者(トレーダー、サービス担当者、営業担当者)に最大限の可視性が確保されていなければなりません。たとえばサービスに遅延やパフォーマンスの低下が発生した場合は、どの取引や資産、クライアントに影響が及ぶかを把握する必要があります。カスタマイズ可能なダッシュボードを使ってテクニカルな領域とビジネスの現場を接続していれば、このような際、後方部隊が描いた全体像を営業部隊へ送ることができます。

フランスの大手金融機関、ソシエテ・ジェネラルは、コーポレートバンキング部門と投資銀行部門でこの手法を実践しています。同社ではElasticを活用してアプリケーションチェーン全体のデータを統合して監視とレイテンシー検知を実行しているほか、影響を被る可能性がある取引とクライアントをピンポイントに示すアラートを、該当のトレーディングデスクに自動的に通知しています。

リスク緩和を競争力の向上に役立てる

金融市場では今後数年の間に、グローバルな規制の動きが進むと予測されます。リテール取引の民主化、暗号通貨取引の加速、ESG/CSRへの意識の高まり、サイバーセキュリティの継続的な強化といった潮流は、今後の法的規制を促す要因の一部に過ぎません。また金融市場におけるデジタルトランスフォーメーションが加速し、リテールの取引が活性化する中、金融系ファームにとって“過度の自動化”は最も重大なリスクの1つとなっています。最近Deloitteはある調査報告の中で、金融分野、特にAI主導のモデルを利用する現場での人的監視と介入の重要性が、規制当局の発言やホワイトペーパーにおいて繰り返し言及されているテーマであることを指摘しました。この報告書はまた、金融系ファームが依拠するアクティビティとモデルに関し、新たな要件が導入されると予測しています。

このような新規の、または将来的なポリシー変更の中核となるアクティビティは、データの消費、収集、ガバナンスです。そのデータツールとインフラは、トランザクションにおける取引決済要件の遵守状況を監視するケースや、CATなど監査要件の遵守を目的とするプロセス標準化、アセットクラス全体のリスクポジションの統合、潜在的セキュリティリスク緩和のためのログ調査まで、あらゆるユースケースの出発点となります。つまり、時間や形式(構造化か、非構造化か)を問わず、ITデータやビジネスデータをエンリッチする取り組みが重要です。また、インテリジェンスのパワーを活用してリスク緩和を加速させる取り組みが欠かせません。このようにクライアントと名声を保護する能力を確立すれば、ビジネスの決定的なアドバンテージとなります。

Elasticは各種ドキュメントやリソースを通じ、Elasticの導入で規制準拠やリスク管理を含むプロセス向上を実現させたお客様のユースケースを数多く公開しています。一例としてCIBC(カナダ帝国商業銀行)は、Elasticを使ったタイムレスな監視ソリューションを設計、実装しています。遵守要件の厳格さと、関連するアプリ数の多さ、増え続けるデータ処理量を考慮すれば、決して平易なタスクではなく、厳格な監視も求められます。しかしElasticを導入したCIBCでは、何の問題もありませんでした。

Elasticがクラウドにもたらす付加的なバリュー

Coalition GreenwichとGoogle Cloudが最近実施した調査から、取引と投資のライフサイクル全体でクラウドベースのサービスが劇的に普及していることが明らかになりました。金融系ファームにおいては、バイサイド、セルサイドの双方でクラウドテクノロジーの導入が急速に進み、今後も利用範囲を拡大する意向が鮮明となっています。投資銀行では主にトレーディング業務に関連した分析にクラウドテクノロジーを活用する取り組みが進んでいます。またバイサイドファームは、ポートフォリオマネジメントや取引注文管理、リアルタイムマーケットデータといった機能を視野に、クラウドサービスの活用に力を注いでいます。実際にこの調査では、大規模なバイサイドファームの44%、セルサイドファームの55%がクラウドでAI、または機械学習を使用している実態が明らかになっています。また同じ調査で、セルサイドおよびバイサイドの68%のユーザーが「市場データプロバイダーによるパブリッククラウドベースのサービス提供は重要である」と回答しました。サービスの快適性水準が向上したことに加え、金融サービス業界全体でパブリッククラウドサービスがもたらす利点の認知が進んだことがこのトレンドの拡大の背景にあると言えます。

Elastic Cloudなど、クラウド上のマネージドサービスへと移行する金融企業の取り組みは、営業部門からバックオフィス部門まで、広範な従業員がハイブリッドまたはマルチクラウド環境を横断してデータの検索、監視、保護を実行する強力な手助けとなります。監視と検索の重要なツールをすばやくデプロイすることで、市場進出のスピードを上げ、新たな取引プラットフォームやサポートアプリ、サービスへの対応が可能になります。またデータや機械学習ノードなどのリソースキャパシティを自動でスケールさせると、取引量が増加する時期もチームの推進力を保つことができます。一連の立ち上げが完了したら、すべてのデータを単一のビューにまとめて検索し、可視化しましょう。

金融サービス業界でElasticを導入し、データを戦略的資産に変える方法について詳しくはこちらをご覧ください。

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