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Telegraph Media Group、Elastic on Google Cloudでシンジケーションの機会を増やす

  • 200万件
    格納している記事の数
  • 40GB
    1日あたりのデータインジェスト量
  • 400GB
    1週間に格納するコンテンツデータの量

サブスクリプション利用者数の増加を促進

TMGは、Elasticオブザーバビリティを活用することで、顧客行動に対する理解を深め、サブスクリプション利用者が興味を引きそうな関連性の高いコンテンツを上位に表示。

シンジケーションを拡大

Elasticエンタープライズサーチでコンテンツが一元化され、社内APIやカスタムインターフェースからアクセス可能になったことで、これまでよりも迅速に新たなシンジケーションパートナーシップを確立し、新しい収益機会を創出。

Telegraph Media Group(TMG)は、英国で認知度の高い新聞およびデジタルニュースの発行者です。同社は、1855年に創刊された新聞The Telegraph(現在はThe Telegraph Webサイトやアプリも提供)、紙媒体のThe Daily TelegraphThe Sunday TelegraphThe Telegraph Editionアプリなどを提供しています。合計で2,000万人以上の月間購読者(うちデジタルサブスクリプション利用者は50万人以上)に対して、受賞歴のあるジャーナリズムを届けています。

今日のほとんどのニュース発行者と同様に、TMGにはサブスクリプション、印刷部数、広告、イベント、コンテンツシンジケーションをベースにした多様なビジネスモデルがあります。また、急成長しているEコマース部門も有しており、人気の高い旅行セクションでは、ホテル、貸別荘、クルージングなど購読者限定の旅行プランを予約できます。

従来のニュースソースや急増するソーシャルメディアなどの競合相手に対して競争力を維持するために、TMGは、あらゆるチャネルのコンテンツを顧客がどのように利用しているかを十分に把握しておく必要があります。これは、サブスクリプション利用者を増やすうえで特に重要です。たとえば、このデータを使用することによって、サブスクリプション数の増加を後押ししている記事や購読者を最も引きつけている記事を把握できます。

競争力を維持するうえでTMGが直面したもう1つの課題は、コンテンツシンジケーションのアーキテクチャでした。TMGには、200万件以上の記事をホストする複数のコンテンツ管理システムがあります。複数のシステムを統合するには多大な労力が必要なため、TMGは収益機会を最大化することができず、メディアチャネルパートナーへの配信も実現できていませんでした。

リアルタイム分析でサブスクリプション収益を増やす

このような課題に正面から取り組み、コンテンツを最大限に活用するための計画を立てたTMGは、Elasticに連絡を取りました。

TMGのCTO、トビー・ライト氏は、次のように述べています。「当社は長年にわたりElasticのLogstashを使用してデータのインジェストや変換を行ってきました。Elasticのチームに当社の目標を伝えると、彼らはElasticエンタープライズサーチと分析エンジンのデモを行ってくれました。それを見て、これこそが当社の成長や配信目標を達成するために必要なテクノロジーだと確信しました」

現在、購読者がTMGのWebサイトを閲覧すると、ページビュー、滞在時間、特に重要なサブスクリプションコンバージョン率など、さまざまなデータ属性が生成されます。このリアルタイムデータは1日あたり最大40GBのボリュームになり、Elasticに格納されて8日間保持されます。

TMGのエンジニアリング/プラットフォーム責任者であるシロ・リッツォ氏は次のように話します。「Elasticには常時およそ400GBのデータが格納されています。これは平均的な携帯電話ユーザーが撮影する写真の約91年分に相当します。TMGではこの情報を使用して、ニュースルームにある幅30メートルのスクリーンに、パフォーマンスが上位の記事を表示し、ジャーナリスト、編集者、訪問者、広告主が、最もよく読まれている記事やその日にサブスクリプション登録した購読者数などを確認できるようにしています。このリアルタイム分析プラットフォームはPulseと呼ばれていて、ジャーナリストや他の従業員もノートPCから利用できます。モバイルアプリケーションもまもなくリリースされる予定です」

Elasticは、TMGのコンテンツ管理戦略の中心でもあります。複数のコンテンツ管理システムに数百万件もの記事を格納するという課題を克服するために、リッツォ氏とそのチームは、あらゆるドキュメントをElasticに取り込んでシンジケーションや配信を行う、コンテンツAPIというコンセプトを思いつきました。TMGではこのコンテンツAPIを統合コンテンツモデル(UCM)と呼んでおり、現在は2001年までさかのぼって約200万件の記事を格納しています。将来的には、アーカイブをさらに深く掘り下げて、より多くの記事をシステムに取り込む予定です。

また、TMGは組織のシステムの大部分をホストしているGoogle Cloud Platform上にElastic Cloudをデプロイするという重要な決定も下しました。リッツォ氏は言います。「当社にとっての大きなメリットは、ElasticがGoogle Cloud Platform上でクラスターを管理するということです。これによって、システムは常に当社のニーズに合致し、いつでも利用可能となり、すべてが自動的にバックアップされます。おかげで、維持やメンテナンスにかかる時間を大幅に削減できています。その時間で、サブスクリプションや他の成長分野を促進する新たな機能のデプロイに集中できます」

Elasticの機能とGoogle Cloud Platformのスケールを組み合わせれば、コンテンツや配信の可能性は限りなく広がります。

– シロ・リッツォ氏, TMG、エンジニアリング/プラットフォーム責任者

Webサイトの旅行セクションでも、Elasticの機能を活用して場所、日程、空き状況、価格に関するすべてのデータを管理しています。これによって、閲覧されている記事に関連するオファーを整理して提示できるようになり、これらの売上から収益や手数料を得られています。

テレビ番組や放送予定に関するニュースを探してTMGのWebサイトにたどり着くトラフィックは、サブスクリプション利用者の獲得源になる可能性を秘めています。そのため、TMGパートナーから提供されるテレビ番組表データをAPIですべてElasticに取り込んでおり、番組に関する情報(開始時間、放送時間、チャンネル、出演者など)をWebサイトに表示できるようにしています。

ジャーナリストなら、アプリを開いて自分の記事のパフォーマンス、つまり閲覧数や登録数、自分のコンテンツがきっかけとなったサブスクリプション契約数などを一目で確認できます。

– シロ・リッツォ氏, TMG、エンジニアリング/プラットフォーム責任者

エンゲージメントとコンバージョンを高める

TMGは顧客行動の変化にリアルタイムで対応し、事前に設定したターゲットに基づいてアラートを設定できるようになりました。この改善には、Elasticが重要な役割を果たしています。

TMGのデータ/デリバリー責任者であるユスチナ・オフチャレク氏は次のように言います。「Pulseに搭載されているElasticオブザーバビリティ機能のおかげで、Webサイト編集者はエンゲージメントやコンバージョンを高める機会を逃すことがほとんどなくなりました。たとえば、話題になっている記事の掲載を2ページ目からホームページに変えることで、より多くの訪問者や潜在的なサブスクリプション利用者の目に触れさせることができます」

Elasticは、TMGのコンテンツシンジケーション目標の達成を支援するだけでなく、社内の分析チームの負担も軽減しています。オフチャレク氏は次のように話します。「これまでは、多くの時間をかけて手作業でレポートをまとめなければなりませんでした。編集部やジャーナリストであれば、記事データを分析するためにSQLなどのプログラミング言語の知識も必要でした。現在は、マウスをクリックしたりモバイル画面をタッチしたりするだけで情報を入手できます」

PulseツールはすでにTMGの従業員に支持されており、1日の訪問者は最大900名、ページビューは5,000に達しています。TMGの上級データエンジニアであるアミール・ザレイアン氏は、Elasticを毎日使用しています。ザレイアン氏は次のように述べます。「Elasticは、リアルタイムのデータインジェスチョン、リアルタイム分析、高度なアラートシステムを提供していますが、このような機能にありがちな複雑な設定は必要ありません。とても多くの従業員がElasticを活用してくれていて、とても喜んでいます」

シンジケーションとパートナー配信を加速させる

Elasticを活用することで、新たなメディアパートナーとのTMGコンテンツのシンジケーションを迅速かつ容易にセットアップすることもできます。Bloomberg、NLA、Yahoo MSN、Apple News、Facebookとの既存の提携が、さらに広がっています。

リッツォ氏は言います。「コンテンツAPIをすでに構築していたので、Facebookチャネルでのローンチはきわめて短期間で実施できました。これまでよりもずっと少ない労力でコンテンツの送信やシンジケーションが可能になったという実感があります」

TMGは将来的に、Elasticの新たな機能の利用を拡大して、見出しのテストや購読者が最も興味を持つトピックの検出など、機械学習を活用する機会を増やしたいと考えています。また、さらに多くのデータを分析できるモバイルアプリケーションとしてPulseをデプロイしたり、旅行やテレビ番組表だけでなくWebサイト検索のプラットフォームとしてElasticを使用したりすることも予定しています。

ライト氏は言います。「端的に言えば、購読者に対する理解を深めるということに尽きます。2023年までに、登録ユーザーを1,000万人、サブスクリプション利用者を100万人にすることを目標としています。Elasticの進化の速さにはワクワクします。当社が目標を達成し、世界をリードするジャーナリズムを発信し続けるうえで、Elasticが果たしてくれる役割にも期待に胸を膨らませています」

TMGは、一流のメディアブランドがデジタルトランスフォーメーションを利用して顧客を増やし、世界中の購読者にワールドクラスのジャーナリズムを提供しているすばらしい例です。

– ニック・ペイン氏, Google、メディア&エンターテインメント部門、クラウドビジネスマネージャー