世界有数のプロフェッショナルサービス企業であるアクセンチュアは、世界の人々の生活と働き方が向上するようなイノベーションの推進を目指しています。過去30年間にわたり、同社のコンサルタントは何百万ものプロジェクトに取り組み、戦略、コンサルティング、デジタル、テクノロジー、オペレーションにわたる幅広い再ビスに関する膨大なライブラリを蓄積してきました。40万人を超える従業員を擁する企業において、この膨大なナレッジベースから妥当な情報を見つけるには、構造化データおよび非構造化データの強力な検索機能が不可欠です。
最高の顧客サービスを実現する検索を提供
アクセンチュアはFortune 500企業の4分の3と提携しており、120か国以上で顧客にサービスを提供しています。そして主要顧客100社のうち、98社10年以上にわたってアクセンチュアとの関係を継続しています。アクセンチュアの従業員は、組織全体にまたがるナレッジや専門家を見つけるために、毎秒数回の頻度で社内検索を利用します。関連する技術や業界についてのアセットを収集してエンゲージメントをカスタマイズする場合も、過去のデータを使用して新しい提案を作成する場合も、クライアントとの関係におけるあらゆる段階にわたって、コンサルタントは価値を提供するために迅速な回答を求めています。
50種類を超えるコンテンツソースにわたって、迅速で関連性の高い検索へのニーズが高まる中、アクセンチュアはエンタープライズサーチを再構築するための幅広い取り組みの一環としてElasticに目を向けました。現在、企業全体の検索機能を支えるために使用されているElasticsearchは、従業員がアクセンチュアの豊富なコンテンツを活用して、人材、専門家、ポリシー、トレーニング、成果物を見つけ、社内の業務とクライアントへのサービスを改善するために役立っています。検索結果は1秒を大きく下回る時間で表示され、関連性も大幅に向上したため、ユーザー満足度も高まりましました。何より重要なのは、これが一回限りの修正ではないということです。検索エンジンを新たに可視化できるようになったことで、アクセンチュアは継続的改善のアプローチを適用し、検索の可能性と力をさらに広げることができます。
アクセンチュアのElasticとの歩み
誰が:検索エクセレンスチームを招集
アクセンチュアの社内IT組織はCIOグループとも呼ばれ、約8,000人のメンバーで構成されています。このグループは、コールセンターやアプリケーションのアウトソーシング業務の従業員から、現場のコンサルタントに至るまで、40万を超える従業員全員をサポートします。また、社内ポータル、ナレッジプラットフォーム、コラボレーションプラットフォーム、およびエンタープライズ検索など、さまざまなアプリケーションの開発を担当しています。
アクセンチュアは、検索プラットフォームを最新化する必要性に対応するため、CIOグループ内に25人の検索エクセレンスチームを設立しました。マニラとシカゴを拠点とするチームメンバーは、検索の技術だけでなく、検索の継続的な改善とプロセスにも注力する役割を担いました。
何を:ブラックボックスだった検索を可視化
それまで検索は、アクセンチュアのユーザーが改善を求めてきた領域でした。情報が存在することは分かっていても、効率的に見つけられなかったため、検索をあらめることがよくありました。従業員は不満を感じており、年次調査の示すところによると、検索がアクセンチュアが従業員に提供するアプリケーションの中でも特に評価が低いアプリケーションの1つだったのです。
検索エクセレンスチームは、ユーザーが不満を持っていることは認識していましたが、検索ランキングを測定して調整するための可視性がなく、ツールも持ち合わせていませんでした。「ブラックボックス」ソリューションでは、改善に必要な情報(特定の結果が上位に表示された理由など)を提供できなかったのです。コンテンツ側のアップデートは行いましたが、コンテンツソースが50あり、アイテム数は何百万に及ぶため、変更のテストと実装には時間がかかりました。
アクセンチュアのシニアマネージャー、チップ・アレン氏は次のように述べます。「検索機能を一段上のレベルに引き上げるサービスを導入したかったのです。シームレスで、探しているものが簡単に見つかり、全体的にはるかに優れたプロセスを提供する必要がありました」
なぜ:検索エンジンの柔軟性が、速度と継続的な改善を促進
最初の実証実験から10か月後の2016年7月、検索エクセレンスチームは新境地を切り開きました。オープンソースの検索技術にカスタム拡張機能とツール群を組み合わせるという新たな手法によって、検索技術を継続的に改善するというアプローチを導入したのです。アクセンチュアはElasticsearchを選びました。検索結果に透明性があり、クエリ言語が柔軟だったからです。
これにより、ボンネットを開けてエンジンを望みのままに調整できるようになりました。
アレン氏は次のように述べます。「Elasticの最大の功績は、検索エンジンへの可視性を確立したことです。特定の結果を表示することがなぜ検索結果を最適化して提供することになるのか、その論理的根拠に関する深いインサイトを入手できるようになりました」
現在では、チームは期待通りの結果を得られて可能性のある検索語句を監視し、その理由を突き止めることができます。利用できるコンテンツ自体が不足しているか、それともコンテンツが検索結果に表示されないのかを解明できるのです。
たとえば、「Fitbit」の検索がトレンドになっているのに検索結果が得られないことを確認し、チームは従業員がアクセンチュアの新しいフィットネストラッカープログラム「Accenture Active」を探していることに気付きました。「Fitbit」はサイトのどこにも存在しませんでしたが、チームは検索結果を簡単に強化できました。
チームが何か新しいことを学ぶたびに、現在の関連性が適切な検索結果の妨げになっている部分をすばやく理解し、変更を提案してテストしたうえで、改良したモデルをすぐに本番環境に導入できます。
どのように:正確な検索結果を生成するためにデータを最適化
Elasticsearchのコアエンジンに加えて、アクセンチュアのチームは複数のデータソースにわたるメタデータを改善、正規化、エンリッチするレイヤーを追加しました。完成したソリューションは、クローラー、エンリッチメントレイヤー、Elasticsearch検索エンジン、ユーザープレゼンテーション、報告と分析という5つの主要コンポーネントなどが含まれています。

Accenture's Search Architecture
まず、すべてのデータが、アクセンチュアが「ダーティ・インデックス」と呼ぶ領域に格納されます。次に、エンリッチメントプロセスによってデータが整形、正規化され、すべてのクエリが実行される「クリーンインデックス」に格納されます。
従来は、50近くの異なるソースが存在し、そのデータを50を超えるグループが管理していたため、コンテンツを検索しやすくするためのよりよいメタデータをデータ所有者に追加してもらうことは困難でした。
アレン氏は述べます。「絶えずせめぎ合いがありました。最終的に、やりたくないことを強制することはできないと気づいたので、エンリッチメントシステムに隣接して動作するメタデータサービスを構築することにしました」
このアーキテクチャにより、チームは中間的なメタデータ管理レイヤーを作成できました。このレイヤーにより、エンリッチメントプロセス中に、検索チームがクリーンインデックスに到達する前のデータに対して検索エンジン最適化を実施できるようなります。チームはさまざまなソースを簡単にまとめ、データやクエリをすばやく操作して、関連性が最も高い検索結果を生成できます。
この取り組みの真価は、アクセンチュアの膨大なナレッジリソースの活用を促すような、高速でより関連性の高い検索結果により、クライアントにさらに優れたサービスを提供できることにあります。新しい検索機能は現在でも以前より優れたものとなっており、今後継続的に改善していく基盤も整いました。
成果:迅速かつ関連性の高い検索で、クライアントにより良いサービスを提供
検索結果はより関連性が高く正確になり、ユーザーはその速度に満足しています。以前は2-3秒かかっていた検索の待ち時間が1秒未満になりました。検索とインデキシングの速度とレイテンシも劇的に改善され、以下のスクリーンショットに示す通り、Kibanaを使用して簡単に把握、分析できます。

Analyzing Accenture’s latency along with search and indexing rates
オープンソースソフトウェアを組み合わせ、より少数の小規模サーバーで実行することにより、導入時のリスクを抑え、アップグレードや管理が簡単になるため、結果的に費用対効果が高まります。検索に対するユーザーの満足度向上は、中核となる検索エンジン技術から始まります。そして応答性がさらに高まることで、全体的な品質も向上します。
検索を途中で諦めるケースが減少し、関連性スコアも着実に改善しています。検索の品質に左右される、アクセンチュアの従業員ポータルと社内ナレッジ交換の満足度指標は両方とも上昇しました。アクセンチュアのテクノロジーソリューションマネージャーであるジョン・エヴァンジェリスタ氏は、その違いは「天と地ほどの差だ」と述べました。探している項目を簡単に見つけられるようになったので、好意的なフィードバックが圧倒的となっています。
アクセンチュアのクラスター
- クラスター3:クリーンインデックス、ダーティインデックス、Kibana
- データサイズ3 TB
- ノードクリーンインデックス:3、ダーティインデックス:1、Kibana:1
- 投入レート134/s = 5,788,800/d
- ドキュメント213,145,844
- ハードウェア統計CPU:32コア 2.8GHz、RAM:60GB
