ElasticがServerlessでのプロジェクト横断検索の一般提供を発表。データを移動せずに、リンクされた全プロジェクトへのクエリが可能に

Elasticは本日、Elastic Cloud Serverlessのプロジェクト横断検索(CPS)の一般提供を発表しました。これにより、組織は複数のサーバーレスプロジェクトにわたって単一のクエリを実行できるようになります。CPSを利用することで、お客様は簡単なセットアップ、バージョンレスの互換性、完全なセキュリティスコープにより、すべてのリージョン、プロジェクトタイプ、クラウドプロバイダーを横断して検索できます。データはその場でクエリされるため、データ移動のリスクを排除し、転送コストを最小限に抑えることができます。Observability、Security、Search、ベクトルデータベースのワークロードを含むすべてのソリューションをサポートし、データを一元化する運用オーバーヘッドなしに、チームに一元化された可視性を提供します。 

組織が複数のプロジェクトにわたってデータを管理するのには、データレジデンシーの遵守、テナントデータの分離、組織構造上のニーズなど、正当な理由があります。しかし、それによって統合された可視性が得られないという、厄介な副作用が生じる可能性があります。SOCチームは、脅威を追跡するために、リージョンプロジェクト間を行き来しています。サイトリライアビリティエンジニア(SRE)は、本番環境とステージングのシグナルを1か所で確認できません。回避策としてデータを一元化することは、同じバイトデータを2回格納および移動することを意味し、データ主権違反のリスクを冒すことになります。既存のソリューションも役に立ちません。単一のクラウドベンダーに縛られているものもあれば、フェデレーテッドクエリを実行するだけでバージョンの調整やサーバーのセットアップが必要になるものもあります。

CPSは、データの分離、データレジデンシー、またはシステムが依存する境界を損なうことなく、分散アーキテクチャー全体にわたるデータのサイロ化を真に解消します。単一のクエリで透過的に結合された結果を提供することで、CPSは、チームが部門横断的なセキュリティシグナルを並べて分析したり、本番環境とステージング環境のログをシームレスに相関付けたり、複数のリンクされたプロジェクトのコンテキストを活用して検索アプリを開発したりすることを可能にします。これらはすべて、個別の導入を単一の環境に強制的に統合することなく行えます。

クラスター横断検索(CCS)は、Elastic Stackを実行するための完全マネージドのクラウドサービスであるElastic Cloud Hosted(ECH)に搭載された機能と同様のものであり、複雑なアーキテクチャーを持つ大規模なECHのお客様の80%以上で既に使用されています。中には、単一の導入で50を超えるリモートクラスター接続を管理しているケースもあります。CPSは、導入トポロジーの把握や証明書の設定、接続ごとの認証を必要とせずに、Serverless上で同じ機能を提供します。CPSのインフラは設計上抽象化されており、クラウドコンソールで3回クリックするだけでプロジェクトをリンクでき、認証はElasticのコントロールプレーンによって組織レベルで処理されます。 

必要なセットアップはこれですべてです。

リンクされると、Discover、ES|QL、ダッシュボード、アラートルールでの検索は、リンクされたすべてのプロジェクトを対象に自動的に実行され、Kibana CPS Scope Pickerによってスコープを確実に管理できます。

CPS:サーバーレスネイティブなアプローチ

手順は次のとおりです。プロジェクト設定から、リンクするプロジェクトを選択します。フィルターとタグは、適切な環境を対象にするのに役立ちます。一度保存すると、Discover、ダッシュボード、アラートでの検索に、リンクされたすべてのプロジェクトのデータが自動的に含まれるようになります。

シンプルに立ち上げ:

CPAサーバーレスネイティブなアプローチを簡単にセットアップするスクリーンショット
CPAサーバーレスネイティブなアプローチでプロジェクトをリンクするスクリーンショット

リンクされたプロジェクトのデータは、デフォルトでDiscoverでクエリされます。

リンクされたプロジェクトのデータは、デフォルトでDiscoverでクエリされます。

KibanaのCPSスコープセレクターを使用すると、アナリストやエンジニアはクエリ構文を変更することなくクエリスコープを切り替えることができます。プロジェクトタグによるフィルタリングや、現在のプロジェクトのみに絞り込むことが可能です。

管理者は、Kibanaスペースごとにデフォルトを設定します。ローカルでのインシデント調査に使用するスペースでは、デフォルトスコープを単一のプロジェクトに制限します。一方、グローバル運用スペースでは、リンクされたセット全体がデフォルトになります。ユーザーは、スペース設定を変更せずに、プロジェクトピッカーを使用して個別のクエリまたはセッションのデフォルトを上書きできます。

拡大されたCPAアイコンのイラスト

一般提供(GA)される新機能とは?

CPSはテクニカルプレビューとして2026年4月16日にリリースされました。このGAリリースには、有意義な追加機能が含まれています。 

スケール:最大100件のリンクされたプロジェクトに対するサポートがデフォルトで含まれています。クライアント別またはリージョン別のプロジェクトをリンクするエンタープライズチームやMSSPは、アーキテクチャーに必要なスケールで運用できるようになりました。ご要望に応じて、より高い上限もご利用いただけます。 

オリジンとしてのサーバーレスプロジェクト:GA時には、既存のプロジェクトは移行や再作成を行うことなく、最大100件のリンクされたプロジェクトにリンクしてクエリを実行できます。

MLおよびAI機能:CPSにより、Elastic MLジョブは教師なしで時系列データの異常を検知し、GA時には単一のジョブでリンクされた複数のプロジェクトにわたってクエリを実行できるようになります。Elastic Observabilityにおけるアプリケーションパフォーマンス監視(APM)の異常検知も、リンクされたプロジェクトにまたがって機能し、SREチームに統合された異常ビューを提供します。さらに、Elastic Agent BuilderによってすべてのソリューションのAIエージェントが、リンクされた複数のサーバーレスプロジェクトからコンテキストを取得できるようになり、CPSは分散データで稼働する本番エージェントの基本的な構成要素となります。

バージョンレスかつクラウド非依存:チームは、特定のクラウドベンダーに縛られることがなく、検索を実行するためだけに複数の導入環境間でバージョンを調整する必要もありません。また、Observability、Security、Search、ベクトルデータベースのワークロードなど、あらゆるソリューションで機能します。

  • Observability:アプリケーションとインフラの監視、アラート、SLO、APMの異常検知は、リンクされたプロジェクト全体で機能し、柔軟なデータのローカル性と分析を可能にします。 

  • Security:CPSはセントラルSOCモデルを支えています。検出ルールは、セントラルプロジェクトで1回実行されるだけで、リンクされたすべてのプロジェクトを横断してクエリを実行するため、SOCチームはデータを手動で結合したりアラートルールを重複させたりすることなく、1つのアラートをトリアージできます。リンクされたプロジェクトからのエンティティ情報とElastic Defendテレメトリーも、この同じセントラルビューに集約されます。 

  • Search:ES|QLクエリとDiscoverセッションは、デフォルトでリンクされたプロジェクトにまたがります。GA時にはすべてのソリューションにおいて、AIエージェントが単一のクエリで複数のリンクされたプロジェクトからコンテキストを取得できるようになり、CPSは分散データで稼働する本番エージェントの基本的な構成要素となります。

完全なアクセス制御:リンクされたプロジェクト全体にわたるユーザーのデータへのアクセスは、クエリの実行元ではなく、各プロジェクトにおける個別の権限によって決まります。ユーザーが閲覧できる内容は常に完全であり、閲覧を許可された内容と一貫しています。

コストの削減:データは元の場所に留まるため、同じバイトを2回格納および移動するのではなく、実行するクエリに対して料金を支払います。

完全なプロジェクトルーティング:これにより、クエリがどのプロジェクトを対象とするかをチームが正確に制御できるようになります。リージョン、クラウドプロバイダー、プロジェクトエイリアスなどの事前定義されたタグ、または独自に定義したカスタムタグを使用して、リンクされたプロジェクトの特定のサブセットに任意のクエリをルーティングできます。名前付き式とブール論理(AND、OR、NOT)を使用することで、「すべてのEUプロジェクト」や「ステージングを除くすべてのMSSPテナント環境」などのよく使うパターンに対応する再利用可能なルーティングルールを構築できます。

プログラムによるCPSアクセス:CPSに新しいユーザーロールが導入され、組織のオーナーだけでなく誰もがCPSクエリ用のクラウドAPIキーを生成できるようになりました。これにより、CPS上でパイプラインやアプリケーションを構築するチームの摩擦が軽減されます。

よくあるご質問

Elastic Cloud ServerlessにおけるCPSとは?
CPSを使用すると、Discover、ダッシュボード、またはアラートから、複数のElastic Cloud Serverlessプロジェクトにわたって単一のクエリを実行できます。結果は透過的に結合されます。プロジェクト設定から数分でセットアップが完了します。

CPSとCCSの違いは何ですか?
CCSは、Elastic Cloud Hostedにおける同等の機能です。CCSでは、導入アーキテクチャーのマッピング、リモート接続ごとのAPIキーや証明書の管理、クエリ内でのリモートクラスター名の参照が必要になります。CPSは認証とトポロジーを自動的に処理します。UIでプロジェクトをリンクすれば、デフォルトですべてのプロジェクトを対象に検索が実行されます。

CPSの料金はいくらですか?
CPSには2つの料金体系があります。マウントされたデータは、リンクされたプロジェクトで保持される1GBあたり月額$ 0.009で課金されます(料金はプロジェクトタイプ、リージョン、クラウドサービスプロバイダーによって異なります)。データ出力転送は1GBあたり$ 0.05で課金されます。これはCPS以外の標準の出力転送と同じ料金であり、CPSクエリが転送コストにどのように寄与しているかを正確に確認できるように、別個の明細項目で追跡されます。1日に10GBのデータを投入し、30日の保持期間と1つのリンクされたプロジェクトを持つチームの場合、マウントされたデータのコストとして月額約$ 4.50が追加され、さらにクエリ量に基づく出力転送コストが加わります(一般的な単一画面での使用では、通常CPS総コストのほんの一部です)。

CPSは、どのプロジェクトタイプとティアに含まれていますか?
CPSはすべてのサーバーレスプロジェクトタイプで利用できます。ObservabilityおよびSecurityプロジェクトでは、Completeティアが必要です。

検索に含めるプロジェクトを制御できますか?
はい、UIレベルとクエリレベルの両方で制御できます。Kibanaでは、プロジェクトピッカーを使用することで、クエリ構文を変更せずに、リンクされたすべてのプロジェクトと現在のプロジェクトのみをユーザーが切り替えることができます。また、管理者はスペースごとのデフォルトを設定して、各チームやワークフローのスコープを制御できます。クエリレベルでは、ES|QLや検索APIのプロジェクトルーティングパラメーターを使用することで、UIを経由せずに、リンクされた特定のプロジェクトを直接対象に指定できます。

使用を開始

すでにElastic Cloud Serverlessを実行している場合、本日からプロジェクト設定でCPSをご利用いただけます。プロジェクトをリンクし、Discoverを開いて、最初のプロジェクト横断クエリを実行してください。

Elastic Cloud Serverlessをまだご利用でない場合は、無料でご登録いただけます。

本記事に記述されているあらゆる機能ないし性能のリリースおよびタイミングは、Elasticの単独裁量に委ねられます。現時点で提供されていないあらゆる機能ないし性能は、すみやかに提供されない可能性、または一切の提供が行われない可能性があります。