オブザーバビリティ
ソフトウェア&テクノロジー

BITMARCKは、ドイツの健康保険会社の顧客体験を向上させるためにElasticオブザーバビリティを活用

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ログファイルの検索にかかる時間を短縮

Elasticでログファイルの検索にかかる時間の短縮を実現したことで、BITMARCKの従業員は、戦略的な事業活動に集中できるようになりました。

データプライバシー規制の遵守を合理化

BITMARCKはElasticを利用することによって、データへのアクセスをGDPRに基づき権限を与えられた個人に制限することができるようになりました。

革新的な検索機能とAI機能を利用可能

同社は、最新バージョンのElasticで利用可能な高度なベクトル検索機能、自然言語処理機能、生成AI機能を利用しています。

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世界の健康保険業界では大きなデジタル変革が進んでおり、ドイツも例外ではありません。BITMARCKは、このデジタル変革で中心的な役割を果たしており、政府管掌健康保険会社は、効率の向上とコスト削減を実現しながらも顧客体験を向上させることができました。ドイツの公的健康保険会社の80%がBITMARCKと取引を行っており、その多くが顧客情報の一元管理から、保険金請求処理や保険料の計算などのタスクの自動化までさまざまなことにBITMARCKのソフトウェアを使用しています。

近年では、同社の顧客関係管理戦略にも変革が起きています。同社はこれまで、主なクライアントである健康保険会社とその従業員30,000人に焦点を当ててきましたが、現在では最終的にソフトウェアから利益を得る2,500万人の保険加入者にも同様に注力しています。

「保険情報とパーソナライズされた医療情報の両方を含んだ現代的なオンラインサービスを市民の皆さまに提供する取り組みを強化しています。」と同社のシステム管理シニアエキスパートのフェリー・グルート氏は説明します。

この目的達成のため、同社はパーソナライズされた医療情報とともにエンドユーザーの保険の詳細をスマートフォンのアプリで確認できる、GeCoと呼ばれる医療ポータルを開発しています。これには、投薬管理、ワクチン接種歴、健康診断、妊娠などの情報が含まれています。

データを一か所でまとめて表示

BITMARCKは当初、1つのサーバー上でオープンソースバージョンのElasticを利用していました。主な顧客管理アプリケーションのすべてのログファイルを一元化して分析を行い、ログ動作を可視化することが目的でした。「Elasticを使用する前は、それぞれのサイロが別々のログファイルを保持していたため、会社のシステムを一目で把握することは複雑で、できませんでした」とグルート氏は語ります。

ここ数年の間に、グルート氏とチームメンバーは、Elasticの使用範囲を広げ、多くのアプリケーション、ハードウェア、ネットワークコンポーネントに書き込まれたログの取り込みや分析を行っています。これには、Microsoft WindowsやLinuxオペレーティングシステム、最近デプロイされたBITMARCKのコンテナー化された環境が含まれます。

1つ目の目的は、ログファイルの可視化を向上させるために、すべての情報を一元化することでした。2つ目の目的は、平均修復時間を短縮することでした。「Elasticを使用することで、データへのアクセスをGDPRに基づき権限を与えられた個人に完全に制限することが可能になりました」とグルート氏は説明しています。

次に行ったことは、EU一般データ保護規則(GDPR)に準拠したセキュリティ機能が搭載されたElasticの有料版を購入することでした。「Elasticを使用することで、データへのアクセスをGDPRに基づき権限を与えられた個人に完全に制限することが可能になった」とグルート氏は説明しています。

現在BITMARCKでは、オンプレミスでElasticを使用し、Elastic Cloud Enterprise(ECE)を活用しています。そうすることで、マネージドサービスの費用を抑えながらもサーバーデータの完全なコントロールを維持することが可能になりました。「ECEへの移行後、数回クリックするだけでクラスターを更新できるようになり、効率が大幅に向上しました」とグルート氏は語っています。

BITMARCKは、公的健康保険の情報システムの作業部会として1994年に設立。ドイツ全体で約1,800人の従業員を抱えています。

BITMARCKは、公的健康保険の情報システムの作業部会として1994年に設立。ドイツ全体で約1,800人の従業員を抱えています。

重要なシステムの状態の監視

グルート氏はElasticオブザーバビリティのメリットを特に実感したのは、患者ファイルの環境だと強調しています。多くの要素が絡み合った複雑なシステムですが、すべてのログデータを1か所で保管することが可能になりました。アプリケーションを運用しているチームがKibanaのダッシュボードを作成し、動作速度など重要なパフォーマンスメトリックを測定することができます。ログインユーザーの数、ソフトウェアの使用方法、応答時間、全体的なキャパシティなどの追跡も可能です。

使用しているシステムやアプリケーションにElasticを使用することでメリットが得られる可能性があることにBITMARCKの多くのチームが気づき始めています。「ログをシステムに追加して、ダッシュボードを作成するチームが増えています」とグルート氏は語ります。「Elasticはビジネス全体での私たちのチームの認知度を高めてくれました。」(グルート氏)

「Elasticはこれまで事業に良い影響をたくさんもたらしてくれました。」

– フェリー・グルート氏, BITMARCK、システム管理シニアエキスパート

デジタルトランスフォーメーションを促進

また、Elasticのデプロイメントが、保険会社が顧客体験を向上させるために使用できるソフトウェアを開発するというBITMARCKの目標の達成に役立っています。「最新の商用スマートフォンやオンラインのアプリケーションを使用する、要求の厳しい顧客の期待に応える必要があります。保険会社に満足しなかったら、他の会社を利用してしまいます。」とグルート氏は言います。

保険会社が顧客を維持し増やすことができる、最新のデジタル環境をElasticで構築することにより、BITMARCKはこの課題に対処し、保険会社との長期的なパートナーシップを強化しています。

Elasticは競争の激しい市場でBITMARCKがリソースをうまく管理し、効率を高めるのを支援しています。「Elasticオブザーバビリティがなければ、手作業でログファイルを探すのに多くの時間を費さなければならなかったと思います。」とグルート氏は語ります。「ログデータを1か所で管理することで、より事業に重点を置いた活動にリソースを集中させることができます。」

「ECEへの移行後、数回クリックするだけでクラスターを更新できるようになり、効率が大幅に向上しました」

– フェリー・グルート氏, BITMARCK、システム管理シニアエキスパート

AI生成の可能性を体験

Elasticと長期的なパートナーシップを築いてきたグルート氏は、人工知能や機械学習ツールなどの機能が今後リリースされるのを楽しみにしています。「Elasticの最新版に更新し、ベクトル検索機能、機械学習ベースの異常検知、最新の自然言語処理モデルのネイティブサポート、ますます簡素化されたデータオンボーディング、合理化されたセキュリティエクスペリエンスを活用したいと思っています。」(グルート氏)また、グルート氏はElastic AI AssistantによりAI応答生成を向上させるために、Elasticsearch Relevance Engine(ESRE)の可能性について詳しく知りたいと考えています。

「Elasticはこれまで事業に良い影響をたくさんもたらしてくれた」とグルート氏は語ります。「貴重なインサイトを得られる機能をさらに追加し、ドイツの健康保険市場により良いソリューションと顧客体験を提供するのに役立つ機能をさらに追加できることを嬉しく思います。」(グルート氏)

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