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シンプル&寛容になったElastic License v2の導入と、オプションのSSPLの維持について

先日、ElasticsearchおよびKibanaのライセンス変更(Apache 2.0ライセンスソースコードからSSPLとElastic Licenseのデュアルライセンスへの移行)について発表しました。その際、Elastic Licenseのシンプル化と、より寛容なバージョンについてコミュニティと緊密に共同作業を行っていくことについても言及していました。本日、その結果をご報告できることを嬉しく思います。

Elastic Licenseはすでに広く使われています。Elastic製品のダウンロードのうち90%にElastic Licenseが適用されており、そのユーザーは無料かつオープンな「ベーシック」ティアに付随する有意義なバリューを享受しています。Elasticのユーザーとコミュニティの大多数はこのバリューを求めてすでにElastic Licenseに基づくソフトウェアを使用しており、このライセンス変更はさして重大なイベントではないと受け止められました。Elasticにとって、これは嬉しい反応でした。コミュニティに生じる混乱を最小限に保ちたいと考えていたからです。

こうしてElasticはコミュニティとの連携の機会を得ることができ、その結果Elastic Licenseをさらにシンプル化する方法も見つかりました。質問を寄せてくださった複数のユーザーとの会話を通じて、Elasticはこの新バージョンのライセンスが大多数のユーザーの懸念点を有意に解消し、同時に悪用、デマ、混乱から製品を守ると確信しています。

Elastic License v2

Elastic License v2(ELv2)はとてもシンプルな非コピーレフトライセンスであり、わずか3つの概念的制約の下にソフトウェアを使用、複製、配布、提供する権利、ならびに派生成果物を作成する権利を認めます。次の行為は認められません。

  1. 製品をマネージドサービスとして他者に提供する行為 
  2. ライセンスキーによる保護機構を何らかの方法で回避する行為、および、ライセンスキーで保護される機能を削除または隠蔽する行為 
  3. 使用許諾、著作権、その他の通知を削除、またはわかりにくくする行為

ELv2は、ElasticsearchとKibanaの全体に適用されます。また配布パッケージに加え、無料および有償のすべての機能のソースコードが対象範囲となります。

Elasticはオープンネスの精神の下、無料と有償、双方の機能のソースコードを公開しています。しかし残念ながら、Elasticの著作権商標は乱用され、悪用されてきました。ライセンスアップデートを通じてElasticが目指すのは、最小限の保護規定を掲げる、可能な限り寛容なライセンスの実現です。この保護規定が有意義なものとなることを期待しています。ELv2について詳しくは、FAQをご覧ください。

ELv2は、他社も導入できるように作成されました。2015年、Elasticがデマに苦しむ小規模企業だったとき使いたかったライセンスを形にしたものです。ELv2にはElasticの経験と、同様の変更を実施した他社の事例(MongoDBCockroachDBRedisLabsTimescaleDBGraylogほか)から学んだすべてのことを盛り込みました。私たちがここに名を連ね、少しでも貢献できたなら幸いです。同様の決断に直面している企業は多数存在します。私は、同じような目標をもつこれらの企業がこれから徐々に、もっと数を絞ったライセンスの周りに結託していくこと、またELv2がその促進役となることを願っています。

この意図から、ElasticはELv2について弁護士のヘザー・ミーカー氏と共同で作業しました。同氏はMozilla Public License 2.0を含むOSSライセンスの起草を支援したことで知られるほか、Confluent Community LicenseSSPLなど、同様のスピリットを持つ多数の組織のライセンス開発支援に携わっています。さらにElasticはこのライセンスを周知する補完的な取り組みとして、また広範な使用を促進する目的でPolyform ProjectFair-codeといったイニシアティブと連絡を取っています。 

ソースコードのオプションとして維持されるSSPL

今回のライセンス変更でユーザーに生じる影響を最小限にするためのオプションとして、ElasticはMongoDBが作成したコピーレフトライセンスであるSSPLを追加しました。MongoDBはこの領域で最も人気のあるプロジェクトの1つであり、SSPLに満足している何百万もの開発者が使用しています。

変更の発表以降、Elasticにはこのオプションについて多数のユーザーから謝意のメッセージが届きました。彼らの組織はMongoDBを使っており、SSPLがあることでこのライセンス変更が重大なイベントにならずに済んだのです。

このSSPLは、以下に示すような形でソースコードを使用許諾するライセンスオプションです。

明確化のために付記しますが、ElasticはSSPLとElastic Licenseのどちらについても、OSI認可ライセンスであると言っていません

クラウド、およびオンプレミスのお客様への影響はゼロ 

大切なことなので繰り返します。Elastic Cloud、およびセルフマネージドでご利用のお客様に一切の影響はありません。Elasticのお客様はすでにElastic Licenseに基づくデフォルトの配布パッケージをお使いです。かつ、使用を規定するサブスクリプション契約条件はこれまでと同様に、付加的な機能やサポートへのアクセス、およびその他のElasticコミットメント(例:知財侵害免責)を継続して提供します。

今後の道のり

Elastic Licenseの寛容化を含む今回の一連の変更は、優れた製品の開発と、コミュニティへの投資を主眼としたものです。言い換えると、今後一層すぐれた機能を開発し、その大部分を無料で提供する、またその機能をオープンな場で開発することを予定しています。しかし、Elasticのコミットメントはコードだけにとどまりません。今回のライセンス変更で、私たちは本当に重要なことを強く意識するようになりました。それは、製品を通じてユーザーの成功を支援するということです。

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