リリース

Elastic Cloud on Kubernetes(ECK)1.0、一般提供へ

本日、Elastic Cloud on Kubernetes(ECK)はベータから一般提供(GA)に移行しました。ECKを使うユーザーは、KubernetesでシームレスにElastic Stackをデプロイ、管理、運用することができます。ECKプロダクトパッケージについてさらに詳しくご覧いただくことも、ECKをダウンロードして使いはじめることもできます。

ECKは2019年5月にアルファバージョンでリリースされました。ECKは、”Kubernetes上でElasticsearchを管理するオフィシャルな方法を提供すると同時に、KubernetesでSaaSのように使えるElasticプロダクトのエクスペリエンスを実現する”というビジョンを掲げています。Kubernetesの人気は年々高まっており、現在ではコンテナーワークロードを管理するスタンダード環境となっています。KubernetesにElastic Stackをデプロイするユーザーも増え続けています。このような状況を受けて、ElasticはElasticsearchとKibana用にDockerのオフィシャルイメージをリリースしたほか、CNCFへの加盟や独自のHelmチャートのリリースなど、コンテナーワークロードをサポートするため多方面で対応を行ってきました。この度のECKの一般提供は、このような取り組みをさらに前進させる大きな一歩となります。  

初回リリースとなったECKのアルファ版は、ElasticsearchやElastic Cloud Enterprise、Elasticsearch Serviceの提供を通じて長年蓄積してきた運用上の知見に基づいて開発されました。アルファ版のリリース(および、早期アクセスプログラムを通じた配布)で、コミュニティの反応は非常にポジティブでした。今回ECKは一般提供を迎え、KubernetesのElastic Stackに本番対応のデプロイと、運用の最適化のためのソリューションを提供することが可能になりました。

Day 2の運用をシンプル化する

ソフトウェアをデプロイするとき、Day 1は楽勝ですが、Day 2は少々大変です。Kubernetes Operatorのパターンに基づいて開発されたECKは、Day 2の運用の大部分をシンプル化します。たとえばスケーリングやアップグレード、KubernetesのElastic Stackで1つ以上のデプロイを管理する場合の設定管理、といったことです。ユーザーにかかる運用の負荷を軽減することで、ビジネス要件により注力したり、Elastic Stackが価値を実現するまでの時間を短縮することが可能になります。

主要な機能: 

  • Kibanaを含む、複数のElasticsearchクラスターのデプロイと管理 
  • Elastic Stackの最新バージョンへのシームレスなアップグレード
  • ユースケース拡張時のスケーリングをシンプル化
  • 全クラスターにデフォルトのセキュリティ機能を搭載

ElasticsearchをはじめとするElastic Stackの開発元が提供するECKは、KubernetesでElasticsearchを管理するためのベストソリューションを目指して設計されています。またアルファ/ベータ版のサイクルで、非常に多くのユーザーから評価をいただいたことはElasticにとって大きな励みになりました。 

オーストラリア国内資本で最大のメディア企業、Nineで主席システムエンジニアを務めるマイケル・ロラント氏は次のコメントを寄せています。「KubernetesとElasticプロダクトをどちらも初期から導入してきた私たちにとって、Elastic Cloud on Kubernetes(ECK)のテストはとてもエキサイティングでした。ECKを使えば、Kubernetes上でElasticsearchを使った開発や、運用を行う際のプロセスを最適化することができます。Kubernetes環境の可視性を大きく高めるインフラUIなど、Elastic Stackのすぐれた機能を活用することも可能になるので、ECK 1.0 GA(一般提供)は非常に楽しみです。ECKとKubernetes向けElasticプロダクトは、アプリケーションとクラスターの完全な監視性を目指す私たちの戦略の方向性とも合致しており、今後さらに活用を進めたいと考えています」

高度なソリューションと他にない機能

ECKはElasticプロダクトの完全なエクスペリエンスをKubernetes上に実現します。APMやログ、メトリック、SIEM、Canvas、Lens、機械学習、インデックスライフサイクル管理をはじめ、Elasticだけが提供する高度な機能や仕様も含まれます。このような機能と仕様は、ECKでデプロイするすべてのクラスターに適用されます。また、専用のマスターノードや機械学習ノード、Hot-Warmデプロイといった機能の追加もサポートされており、監視やセキュリティのユースケースに最適なデプロイを実行することができます。 

ECKの主要な機能は永久無料のベーシックライセンスでご利用いただくことができます。デプロイする場所を問わず、Elasticのプロダクトを使用するすべてのユーザーに、Elasticならではの機能と仕様をお使いいただけます。また、エンタープライズサブスクリプションをご購入いただくことにより、さらに高度な機能をお使いいただくことができます。

使いはじめる

ECKは、Google Kubernetes Engine、Red Hat OpenShift、Azure Kubernetes Service、Amazon Kubernetes Service、vanilla Kubernetesなど、幅広いKubernetesプラットフォームで実行できるフレキシブルな設計です。

はじめて使う場合も非常に簡単です。たった1行のコマンドでKubernetes環境にECKをデプロイでき、たった数分でクラスターの作成が完了します。さらに詳しい手順と情報については、クイックスタートページをご覧ください。

Elastic StackでKubernetesを監視する

Kubernetes×Elasticの相乗効果とは、単に「KubernetesでElastic Stackを実行できる」という意味ではありません。Elastic Stackで、Kubernetesとそのエコシステムに包括的な監視性とセキュリティ機能を構築することができます。

今後の予定

今回リリースされたECK 1.0は、KubernetesでElastic Stackをデプロイ・管理する上で確かな土台となります。ECKでますますすぐれたエクスペリエンスを実現できるよう、Elasticは専用UIやファーストパーティAPI、自動スケーリングほか、各種の機能開発を引き続き行っていく予定です。アップデート情報については、GitHubレポジトリおよびディスカッションフォーラムをご参照ください。