NFT詐欺を減少させる
ElasticでNFT取引をきめ細かく監視することで、詐欺などの違法行為から会社とユーザーを保護できます。
Web 3.0分野で新たなチャンスの扉を開く
オンラインゲーミング環境の保護にElasticを導入したことで、Web 3.0ビジネスの拡大機会を広げています。
将来発生する新たな脅威からビジネスを保護する
セキュリティワークフローを合理化する生成AI機能など、急速に進化するElasticの機能を活用できます。
ゲーミング界の世界的リーダーである日本大手企業が革新的なオンラインゲームを発表。Google CloudでElasticを実行することで、コレクティブルデジタルアート作品とNFTを保護

この非常に尊敬されている日本のゲーム大手は、伝説的なロールプレイングゲームや他の大手ゲーム出版社との提携を通じて、30年以上にわたってデジタルゲームの最前線に立ち、世界中で何百万本ものゲームを販売してきました。
最近発表した新しいオンラインゲームはイノベーションに定評のある同社の面目躍如を果たすもので、暗号資産ウォレット、非代替性トークン(NFT)、ブロックチェーン技術などのWeb 3.0テクノロジーを採用して独自のプレイ体験を創り上げています。
最新ゲームは、コレクティブルアート作品1万点とリアルゲームユーティリティを融合させた、NFTベースの今までにない形態のエンターテイメントです。各NFTはストーリー内で独自のデザイン、背景、ロールを持つキャラクターで、ユーザーはこれらキャラクターが持つ秘密情報を使ってゲーミング界のあちこちに隠されたアイテムを見つけて、世界の謎を解き明かす勝負に挑みます。ジャンルとしては、ストーリー発見型NFTエンターテイメントと定義付けることができます。
この新ゲームは、ブロックチェーンゲーミング機能でソーシャルゲームとコミュニティ作りの新たな方式を模索しつつ、安全なゲーミング環境に必要な基盤も整えている実験的なものです。
っそのため同社のセキュリティオペレーションセンターは、相次いで新たな課題に直面しました。「当社は常にゲームデザインの境界を押し広げていますが、会社とお客様の保護に関しても、同様に革新的であることを心がけています」と同社のSOCマネージャーは語ります。
今回の新ゲームでは、プレイヤーのNFTの保護に特に配慮しています。
いわゆる「不正NFT」と呼ばれる正規NFTの模倣品は、クリエイター本人の著作権を侵害し、正規NFTになりすまして購入者を欺くことで、ゲーミング環境の健全性を脅かします。最大のデメリットは評判が脅かされることであり、ゲームパブリッシャーと世界中のプレイヤーの信頼関係が失われる恐れがあります。
同社のSOCマネージャーは、ミント(発行)時点からNFTマーケットプレイスで売買されるまで、ライフサイクル全体にわたる正規トークンの監視も視野に入れたと次のように語ります。「当初は合法的購入であったとしても、流通過程で、詐欺、マネーロンダリング、脱税といった違法目的で使用される恐れがあります」。同社は「取引内容を確認」プロセスをサポートするために、不審な取引をリアルタイムで検出することに着手しました。
Web 3.0ゲーミング用に新たな防衛線を構築する
同社は数年にわたりElasticを使用して、ビデオゲームの海賊版や、発売前のゲームコードへの不正アクセスを企むハッカーなど、多くの脅威からビジネスを保護してきました。ElasticはGoogle Cloud環境内の仮想マシン上で実行され、毎秒1万件を超えるイベントを取り込みます。
セキュリティチームのメンバーの多くは、Elasticと連携する職務に就いていた経験があります。導入プランを描いたシニアセキュリティエンジニアもその1人であり、「NFTの保護には従来とは異なる課題がありますが、当社ではNTF分野における脅威の多くに対して、すでに新たな防衛線を敷いています」と語ります。
「Elasticの採用により、新しいソースからのイベント取り込み、不審な活動向けのアラート設定、Kibanaダッシュボードでの脅威の可視化といったオープンで柔軟な活動が可能になっています」
同エンジニア率いるチームは、最近、イーサリアム、ポリゴン、アービトラムなどのブロックチェーン上で買い手と売り手が日々やり取りを交わしている世界最大のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaからのデータを統合しました。
ElasticにOpenSeaデータを組み入れることで、不正NFTの存在を含む不正行為を監視、検出できます。「Elasticを使うことで、当社商標の悪用者が特定可能になっており、データをフィルタリングして防御策をトリガーする検出ルールを記述できます」(前述のシニアセキュリティエンジニア)。

セキュリティチームはElasticを使ってNFTの買い手と売り手の活動を分析することもできます。Elasticでは強力なグラフ機能によりデータ間の複雑な関係が紐解かれます。また、KibanaグラフのUIを使って、他の方法では突き止めにくい洞察が可視化されます。
同社はまた、売り手を詐欺から保護する目的でもElasticを利用しています。セキュリティチームは、ブロックチェーンのリスクスコア付けツールからの脅威インテリジェンスでデータを充実させ、問題のある取引を特定します。たとえば、特定の取引所で異常に多くの商品が販売されている場合、会社はそれが不審な活動かどうかを判断しやすくなります。
NFTビジネスを拡大する
同社がまもなくリリースするコレクティブルアクションフィグアシリーズには、所有権と本物であることを証明するためにNFTが付属する予定です。また、高価なゲーミング機を必要としない次世代ゲームをさらに普及させるために、Web 3.0畑の大手他社とも提携しています。この点について、SOCマネージャーは次のように語ります。「Elasticは、NFTに加え広範なWeb 3.0環境を保護することで、より安全な方法でさまざまなビジネスチャンスを実現する扉を開きます」。
同社のセキュリティチームは、異常や脅威を特定するためにElasticの機械学習をすでに使用しており、ゲーミング環境の防御層を強化する手応えを感じています。同社では、Elasticの機械学習と人工知能機能の利用を増やす計画も立てています。
SOCマネージャーはElasticの生成AI機能にも注目しており、Elasticsearch Relevance Engine(ESRE)とElastic AI Assistantはその代表例です。こうした機能は、アラートトリガー時の推奨行動の自動生成やセキュリティエンジニアによる文書データベース検索時間の短縮などに利用可能です。「当社では、これらの機能とゲーミング分野でのセキュリティへの応用方法に非常に興味を寄せています」とSOCマネージャーは結論付けています。