2021年のライセンス変更に関するFAQ

ElasticsearchおよびKibanaは、Apache 2.0ライセンスソースコードからServer Side Public License(SSPL)とElastic Licenseのデュアルライセンスに移行します。今後、ユーザーは適用するライセンスを選択することが可能になります。このライセンスの変更は、Elasticのコミュニティとお客様に対し、使用、修正、再配布、コラボレーションを目的としたコードへの無料かつオープンなアクセスを確保します。またこの変更は、クラウドサービスプロバイダーがいかなる還元も行わずサービスとしてのElasticsearchおよびKibanaを提供する行為を禁止することにより、Elasticが無料かつオープンに配布する製品の開発に対して行う継続的な投資を保護するものです。この変更は、7.11リリースより、この2製品の保守されているすべての枝番を対象に適用されます。また、Elasticのリリースは今後もElastic Licenseの下に提供されます。

ライセンス変更の概要


変更について簡潔にまとめると?

ElasticsearchおよびKibanaは、Apache 2.0ライセンスソースコードからElastic LicenseとSSPL 1.0のデュアルライセンスに移行します。今後、ユーザーは適用するライセンスを選択することが可能になります。またElastic LicenseをよりシンプルなElastic License v2(ELv2)に変更し、実質的に一層寛容なライセンスとしています。直近3年間と変わらず、Elasticのデフォルト配布パッケージは引き続きElastic Licenseにより提供され、Apache 2.0ライセンスに基づく配布は今後行われません。


Elasticがこの変更を実施する理由は?

この変更は、Elasticのコミュニティとお客様に対し、使用、修正、再配布、コラボレーションを目的としたElasticsearchとKibanaへの無料かつオープンなアクセスを確保します。またこの変更は、クラウドサービスプロバイダーが修正部分、および、サービス管理レイヤーのソースコードを公開することなくサービスとしてElastic製品を提供する行為を禁止することにより、Elasticが無料かつオープンに配布する製品の開発に対して行う継続的な投資を保護するものです。


Elastic Licenseについて実施される主要な変更の内容とは?

Elastic License 2.0はElasticsearchおよびKibanaの配布と、無料および有償のすべてのソースコードに適用されます。ELv2を通じてElasticが目指すのは、悪用から保護すると同時に、可能な限り寛容なライセンスの実現です。このライセンスはシンプルな3つの制約を定め、無料で使用、修正、派生成果物を作成、再配布する権利を認めます。

  • 製品をマネージドサービスとして他者に提供する行為の禁止 
  • ライセンスキーによる保護機構を何らかの方法で回避する行為、および、ライセンスキーで保護される機能を削除または隠蔽する行為の禁止 
  • 使用許諾、著作権、その他の通知を削除、またはわかりにくくする行為の禁止

これらの規定の目的は、製品とブランドを悪用から保護すると同時に、配布と修正を可能な限りシンプルにすることです。ELv2について詳しくは、こちらのFAQをご覧ください。


ユーザーだけど、このライセンス変更が与える影響は?

Elasticが提供するElasticsearchやKibanaのデフォルト配布パッケージをダウンロードしてお使いの場合、お客様に何も影響はありません。過去3年間と同様に、Elasticのデフォルト配布パッケージは引き続きElastic Licenseにより提供されます。Elastic License 2.0ではライセンス規約がシンプル化され、以前より大幅に寛容なライセンスとなっています。Elasticsearchを使ったアプリケーションを開発されている場合、お客様に何も影響はありません。Elasticのクライアントライブラリは引き続きApache 2.0の下にライセンス提供されます。ElasticsearchやKibanaで各種プラグインをお使いの場合、お客様に何も影響はありません。


ElasticsearchやKibanaのコントリビューターには、どんな影響が生じる?

はじめに、コントリビューションについて心よりお礼申し上げます。ありがとうございます!コードのライセンスがElastic LicenseかSSPLかに関わらず、これまで同様にElasticsearchやKibanaへのコントリビューションを行っていただくことができます。コントリビューションを行う方法について詳しくは、コントリビューターガイドをご覧ください。


有償のユーザーやパートナーに、どんな影響が生じる?

Elastic Cloudまたはセルフマネージドのサブスクリプションを通じてElastic製品をご利用のお客様・パートナー様には、何も影響はありません。


Elasticsearchを組み込んだアプリを開発・再配布しているけど、どんな影響が生じる?

現在ご利用のお客様に、一切の影響は生じません。



以前にApache 2.0ライセンスの配布パッケージを使って組み込みと再配布を行った場合は、使用したデフォルトの配布パッケージをElastic License v2に切り替えていただく必要があります。Elastic License 2.0は製品とブランドを悪用から保護するわずか3つのシンプルな制約の下に、無料の使用、修正、再配布を許諾します。制約の概要は上記の通りです。ご希望の場合は、SSPLの下に提供されるソースでElasticsearchとKibanaの開発を行うオプションもあります。



Elasticはご質問、ご不明点を積極的にサポートしています。具体的なケースについてご相談がおありの場合は、elastic_license@elastic.coまでお問い合わせください。


デュアルラインセスの仕組みって?

Apache 2.0によりライセンス提供されるElasticsearchおよびKibanaのソースコードは、Elastic LicenseとSSPLのデュアルライセンスに基づく形に変更されます。つまり、ユーザーがソースコードを使用する際に、どちらの利用規約がニーズにより合致するかを選択することができるようになります。これまでの約3年間と同様、Elasticのデフォルト配布パッケージは引き続きElastic Licenseでリリースされます。したがって、ソースコードを直接使用していないユーザーの場合、この変更による影響はありません。またElastic Licenseを一層シンプルかつ寛容なライセンスへ改定しています。


デュアルラインセス戦略を採用する理由は?

大部分のユーザーとお客様は、デフォルトの配布パッケージに含まれるElastic製品をすでにお使いです。このデフォルトの配布パッケージは、約3年前からElastic Licenseに基づいて提供されています。しかしElasticは、製品を可能な限りオープンかつ寛容するためのあらゆる努力を実施し、かつパブリッククラウドプロバイダーがコミュニティに再投資せずマネージドのサービスを提供する行為を差し止めたいと考えました。すでにElastic Licenseをご使用で、特に問題がないという場合は、ぜひそのまま継続してお使いください。変更による影響は一切ありません。また実際には、Elastic LicenseからElastic License 2.0へのアップデートを通じて、一層寛容なラインセンスとなりました。またオプションとしてSSPLも採用しています。発案者のMongoDBが採用していることから、SSPLは数百万にものユーザーや企業に親しまれており、ElasticはSSPLが保証する自由を高く評価しています。


SSPLとは?どのように行使できる?

SSPLはMongoDBが作成したsource-available license(ソース利用許諾)です。MongoDBはオープンソースの理想を体現し、また製品をサービスとして第三者に提供する場合は、あらゆる修正、ならびに管理レイヤーのソースコードをSSPLの下にパブリックにリリースするというシンプルな要件に基づいて、無料かつ無制限に使用、修正、再配布を可能とするライセンス開発を目指しました。



SSPLはGPLv3に基づいており、コピーレフトライセンスの1つと見なされています。これは、ユーザーがソースコードを使用して派生製品(二次的著作物)を作成した場合に、その派生製品をSSPLに基づきライセンスしなければならず、また、一般にリリースすることが義務付けられることを意味します。詳しくは、MongoDBが公開しているFAQをご覧ください。
 
SSPLはOSIが認可しているライセンスではありません。誤解を避けるため明記すると、ElasticはSSPLがオープンソースライセンスであるとは言及していません。


どのような使い方をすると、SSPLが定める「製品をサービスとして提供する」行為に該当する?

明確化のために説明すると、7.11以降の配布パッケージはElastic License 2.0の下に提供されます。Elastic License 2.0はコピーレフトの要素を持たず、製品とブランドを保護するわずか3つのシンプルな制約の下に、無料の使用、修正、再配布を許諾します。制約の概要は上に示す通りです。

ElasticsearchまたはKibanaのソースから開発を行っている場合、ソースコードの使用規定をSSPLとElastic Licenseから選ぶことができます。ご質問の規約は、お客様がソースから開発していて、規定ライセンスとしてSSPLを選択し、かつElasticsearchとKibanaを有償のサービスとして他者に提供する場合に限り適用されます。この場合、お客様が運営する主たるサービス、あるいはサービスの大部分が「ElasticsearchとKibanaをマネージドサービスとして提供する」状況に該当するときに限りこの制約が適用されます。


Elasticsearchをバックエンドで使用するSaaSアプリを開発しているけど、どんな影響が生じる?

今回のソースコードのライセンス変更はお客様に一切影響しません。Elastic Licenseに基づいて、デフォルトの配布パッケージを使用できるほか、このパッケージをベースに無料でアプリケーションを開発することもできます。Elastic Licenseはsource-available license(ソース利用許諾)であり、コピーレフトの側面を持たず、デフォルトの機能を無料とします。具体的な例として、よろしければMagentoプロジェクトに関する質問への回答をご参照ください。


この変更の適用対象となるバージョンはどれ?

この変更は、ソースコードだけに係る変更です。Elasticは今後もElastic Licenseに基づき、無料かつオープンにリリースを提供します。この変更は、Elasticのソフトウェアのうち保守されているすべての枝番(6.8、7.x、およびmaster/8.0)に適用されます。またこの変更は、7.11リリースの一般公開に先立って適用開始となります。


ElasticsearchとKibana以外の製品にもライセンス変更は影響する?

いいえ。このライセンス変更は、ElasticsearchとKibanaに限り適用されます。他の製品群への影響はありません。Elasticはこれまでも常に、データ収集とシッピングのコンポーネントを可能な限り無料かつ簡単にアクセスできるものにしたいと考えてきました。この変更を通じてElasticsearchとKibanaに対する投資を保護することにより、Elasticは他の製品を一層オープンにすることが可能になります。Elasticは、Beats、Elastic Agent、Logstashにさらに多くの機能を統合し、Apache 2.0に基づいて使用許諾することを検討予定です。今後追加の変更が実施される場合は、Elasticより別途お伝えいたします。


ElasticsearchとKibanaは、もうオープンソースではないということ?

はい。Elastic LicenseとSSPLは、どちらもOSIの認可を受けていません。誤解を避けるため、Elasticは今後ElasticsearchとKibanaについて「オープンソース」という表現を使用しません。ElasticはWebサイト、ならびに2製品についての「無料かつオープン」という表記を改めました。また各種ライセンスについて直接的に言及する場合は「ソース利用許諾」という表現を用いています。 他に見落としている部分があれば修正する予定です。お気づきの方はご一報くださるようお願い申し上げます。

誤解を避けるため、この2製品については「無料かつオープン」の文言を使用しませんが、Elasticは「オープン」や「無料かつオープン」という表現を全面的に回避するわけではありません。 各種製品を無料で使えるという事実、ならびにソースコードを使えるという事実をシンプルに記述できる表現であることに加え、ElasticがGitHub上に形成するオープンで協力的なエンゲージメントモデルにあてはまる表現でもあります。Elasticはオープンソースの“透明性、コラボレーション、コミュニティ”という原則へのコミットを継続しています。


Elasticは今後もオープンソースソフトウェア開発を継続するの?

Elasticがオープンソースの原則にコミットする姿勢はこの10年以上、何一つ変わっていません。Elasticはこれまでと同様、これからも透明性とコラボレーション、コミュニティに重点を置いて活動します。クライアントライブラリ、Beats、Logstashのほか、Elastic Common Schemaなどの規格も含め、多数のElasticの製品とプロジェクトは引き続きApache 2.0のライセンス下に置かれます。またElasticはこれまでApache Luceneや他のプロジェクトについて行ってきたように、今後も変わらず他のオープンソースプロジェクトへのコントリビューションを継続します。


クラウドプロバイダーが提供するサービスとしてのElasticsearchを使っているけど、この変更の影響は?

7.11以降にリリースされるバージョンのElasticsearchやKibanaをパブリッククラウドプロバイダーが提供するには、Elastic LicenseまたはSSPLに準拠する必要があります。


API経由でElasticsearchを使っているけど、この変更の影響は?

この変更は、Elasticsearchにアクセスするクライアントの使用方法に影響しません。Java High Level Rest Client(Java HLRC)を除くElasticクライアントライブラリは、引き続きApache 2.0に基づきライセンス提供されます。

Java HLRCはElasticsearchのコア部分と依存関係があるため、このクライアントライブラリはElastic Licenseに基づくライセンス提供となります。Elasticは時間をかけてこの依存関係を解消させ、Java HLRCをApache 2.0ライセンスに移行させる予定です。疑義を避けるために明記すると、移行までの間、ElasticはJava HLRCをアプリケーション開発に使う、あるいはElastic License下に基づく派生製品をElasticsearchへアクセスするためのライブラリとして使う予定はありません。これは、ユーザーがこのクライアントライブラリを使って開発したアプリケーションのソースコードをライセンス提供する方法、あるいはそれを配布する方法に一切影響しません。

ご質問がおありの場合は、elastic_license@elastic.coまでお問い合わせください。


ElasticsearchやKibana向けプラグインを開発しているけど、この変更の影響は?

この変更は、ユーザーによるElasticsearchまたはKibanaのプラグイン開発、またはライセンス提供に影響しません。疑義を避けるために明記すると、ElasticsearchやKibanaで使用されるプラグインの開発は派生製品(二次的著作物)に相当せず、ユーザーが開発したプラグインのソースコードをライセンス提供する方法に一切影響しません。

ご質問がおありの場合は、elastic_license@elastic.coまでお問い合わせください。


Microsoft、Google、Alibaba、およびTencentとのパートナーシップに関して、この変更の影響は?

影響はありません。Elasticはこのパブリッククラウドプロバイダー各社と業務上の強固な関係性を構築しており、今後も提携を継続します。Elastic CloudはMicrosoft、Google、AWSおよびこれらすべてのケースにおいてご利用いただくことができ、Elasticはパブリッククラウドプロバイダー各社のマーケットプレイスエコシステムの一部となっています。ElasticはAlibaba、およびTencentと、サービスとしてのElasticsearchの提供を認可するパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップ関係が、今回のライセンス変更の発表によって影響を受けることはありません。


AWSとのパートナーシップに関して、この変更の影響は?

前出のFAQでも言及している通り、ElasticはElastic製品を利用し、サービスとして提供するクラウドプロバイダー各社と幅広くコラボレーションすることを目指しています。ElasticはこれまでGoogle Cloud、Microsoft Azure、Alibaba Cloud、Tencent Cloudと強固な関係性を構築してきました。またAWS MarketplaceのElastic Cloudリスティングを通じてAWSとパートナーシップを構築し、Elastic CloudをAWS上で最高のElasticsearch・Kibanaマネージドエクスペリエンスとするため、その関係性に継続して投資しています。しかし、ElasticはAWS上のAmazon Elasticsearch Serviceに関して、業務上の関係性を構築していません。Elasticはこのサービスに対するアクティブなサポートを提供しておらず、またこのサービスに直接的なメリットをもたらす自社ソフトウェアに投資することを望んでいません。またElasticは透明性を確保する目的でAWSとの間に係争中の訴訟を起こしており、詳細についてはこちらこちらで説明しています。


「オープンへの新たなる挑戦、パート2」というタイトルを付けた理由は?“よりオープンにする”ことは可能なのか?

3年前、Elastic Licenseの導入とX-Packのオープン化を発表しました。この発表と同時に始まったElasticの歩みを継続するという気持ちを込めて、記事にこのタイトルをつけました。このメッセージの中で、私たちは“オープンソース”ではなく、“オープン”という表現を意図的に強調することを選択しました。ブログのタイトルが誤解や、曖昧さをもたらすものであった場合には、真摯に謝罪いたします。このブログの最初の一文は、この変更を明確に説明しています。
この変更の主な理由は、クラウドプロバイダーがElasticやElasticコミュニティとコラボレーションすることなく製品を利用し、サービスとして直接提供する行為を禁止することにより、Elasticによる投資を保護することです。私たちはこの保護を実践すると同時に、製品を可能な限り無料かつオープンに保つ努力を行っています。


Kibanaではなく、自作のアプリでEUIやElasticチャートを使っているけど、この変更の影響は?

そのアプリが1つのマネージドサービスとして供与されるものでなければ、一切の影響はありません。詳しい説明をご希望の場合や、さらにご質問がおありの場合は、elastic_license@elastic.coまでお問い合わせください。


自作のKibanaプラグインでEUIやElasticチャートを使っているけど、この変更の影響は?

Elasticは、コミュニティによるKibanaプラグインの作成を積極的に支援しています。今後もEUIやElasticチャートを使ってKibanaプラグインの開発を続けていただくことができます。さらにご質問がおありの場合は、elastic_license@elastic.coまでお問い合わせください。


変更履歴

  • 6月7日:EUIとElasticチャートのライセンスに関する質問2件を追加
  • 2月2日:Elastic License v2(ELv2)へのアップデートを反映させる複数の全体的な変更を実施
  • 1月26日:明確化のため、「SSPLとは?どのように行使できる?」の回答内容を追加。
  • 1月18日:明確化と一貫性向上のため、「Elasticsearchを組み込んだアプリを開発・再配布しているけど、どんな影響が生じる?」と「ElasticsearchやKibanaの修正バージョンを自社製品に組み込んでいる場合、どんな影響が生じる?」の項目を統合。
  • 1月17日:付加的なコンテクストを提供するため、「Elasticsearchを組み込んだアプリを開発・再配布しているけど、どんな影響が生じる?」の質問を公開。Q&A「どのような使い方をすると、SSPLが定める『製品をサービスとして提供する』行為に該当する?」を公開。
  • 1月15日:Q&A「デュアルラインセス戦略を採用する理由は?」、「Elasticsearchをバックエンドで使用するSaaSアプリを開発しているけど、どんな影響が生じる?」、および「AWSとのパートナーシップに関して、この変更の影響は?」を公開。