エンジニアリング

Elastic Cloudデプロイのコストの詳細確認と分析

新しいElastic Cloud使用量分析ページについてご紹介いたします。このページではElastic Cloudの使用量の詳細を確認、分析できるため、消費した各リソースが月あたりの請求額のどの程度を占めているか、より詳細に把握できます。 

Elastic Cloudの月あたりの請求額は、各リソースの使用料金で構成されます。それらのリソースには以下が含まれます。

  • デプロイサイズ(仮想マシンのCPUおよびRAMなど)
  • Elastic環境に転送されるデータ量
  • データ保存量

リソースの使用量を理解することで、Elastic導入環境についてよりスマートに意思決定を行うことができるとともに、コストを節約できる領域を特定することが可能です。 

では、各リソースタイプの詳細を見ていきましょう。 

デプロイ容量は、Elastic導入環境のノード、およびElasticsearch、Kibana、APM、機械学習などのノードタイプのコストを意味します。各ノードタイプは、RAMの1時間あたりのGBに基づいて料金が発生します(CPUとディスクはRAMに応じて拡張され、この料金に含まれています)。RAMの時間の計算は、導入環境のノードのコストを合計し、そこにRAMのGBを乗算し、さらにそれらの実行時間を乗算します。容量は通常、請求額の大部分を占め、把握と管理が最も簡単です。

データ転送とは、導入環境のノードを出入りする、およびノード間を出入りするデータ量(ペイロード)を指します。請求サイクル内で累積されます。

ストレージの料金は、基盤として使用するIaaSオブジェクトストア(例:Amazon S3、Google Cloudストレージ、またはAzure Storage)にバックアップスナップショットを格納するコストに関連付けられています。これらのストレージ料金は、Elasticsearchインデックスを保持するディスクストレージの料金ではありません。これはすでにRAM時間に含まれています。

これら3つのコンポーネントは、1か月を通して計測され、月額の請求として合計されます。Google Cloud MarketplaceまたはMicrosoft Azure Marketplaceを通じてサブスクライブしている場合、これら3つのタイプの請求が単一の明細行として請求書に表示されます。

使用量の透明性

使用量に基づく請求の場合、料金が請求書に表示されるときにはすでにそのコストは発生済みのため、その時点で使用を調整しようとしても遅すぎることがあります。Elastic Cloudユーザーにとって、その請求サイクル全体の料金の概要をタイムリーに把握できることは、割り当てられた予算に基づいて使用を調整するために非常に重要となります。

Elastic Cloudコンソールの新しい使用量分析ページには、ユーザーアイコン > [Account & Billing](アカウントと請求) > [Usage](使用量)の順にクリックしてアクセスできます。これは、以前のアカウントアクティビティページに代わるものとなります。

一定の期間を選択して使用量を見ることで、デプロイまたは製品ごとの内訳を確認できるため、使用パターンを認識してチーム全体でコストを最適化することが可能です。とても簡単です。

デプロイにおける使用量を示す画像

このページでは、現在の請求期間に関する3つのデータポイントを確認できます。

  • すべてのアクティブな導入環境における現在の時間あたりの料金総額:これには、請求要素のRAM時間の料金が反映されています。
  • 月初めから今日までの使用量:RAM時間、データ転送、ストレージを含む、月初めから今日までのすべての使用量を合算したものです。
  • 適用されるクレジット:これは、年次契約を事前に支払っており、それらのプリペイドクレジットが使用量に毎月適用されることを意味します。

デプロイにおける使用量を示す画像

また、特定期間の生の使用量の記録にドリルダウンすることもできます。事前設定された期間(現在または前月)あるいはカスタムの期間から選択して、1日あたりの詳細まで掘り下げることができます。

選択するフィルターを示す画像

使用量は、たとえば容量のコストおよびデータ転送とストレージを消費するElasticsearchインスタンスなど、使用製品ごとに可視化することも、導入環境ごとに内訳を確認することもできます。

使用製品ごとに使用量を可視化したイメージ

このデプロイごとのビューは、社内の各部署に導入コストを分散する必要がある場合、または外部のお客様全体で分散する必要がある場合にも便利です。 

ObservabilityデプロイをITチームが使用し、Enterprise Searchデプロイをコンテンツ管理チームが使用し、SecurityデプロイをInfoSec部門が使用するというElasticsearch Serviceアカウントなどが、これに該当します。

期間別の使用量の内訳を示す画像

各チームのコストを複数のコストセンターに分散させる必要がある場合は、特定の月の使用量をデプロイごとに分割できること(およびそれらのコストをそれぞれの当事者に分散できること)が重要です。

新しいユーザーインタフェースの改善の1つとして、使用量の見積りの中に、データの転送およびストレージのコストが設けられています。データの転送およびストレージに対する請求が、月初めから今日までの集計に含まれるようになり、ページの上部で確認できます。さらに、その請求は、請求タイプまたはデプロイごとに詳細を確認することもできます。

最後に、各デプロイに関して、表示されている合計の内訳、つまりその合計に至る実際の各コストを詳細に確認できます。

各導入環境に関連付けられた実際のコストと合計コストを示す画像

使いはじめる

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